Gift
□本当は…。
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ウィーン…
遠征先から帰ってきたポットのドアが開くと、左の頬に十字の傷がある男が出てきた。
「おっ。珍しく王子様のお出迎えか」
「………」
傷があまりないところを見ると、今回も余裕で敵を倒してきたようだな…。
さすがだ。
「…何で黙ってるんだよ…。ホントは待ち遠しかったんだろ? 俺が」
「なっ…、だ、誰が『待ち遠しかった』だ!! 自惚れるな!! ///」
…違う。
違うんだ。
こんなことを、俺は言いにきたんじゃない。
本当は待ち遠しかったし…話しだって沢山したい。
「1ヶ月も会わなかったからな。身長伸びたんじゃねぇか?」
「…っキサマ!! 馬鹿にしてるのか!!」
でも、素直になれない。
「お前、今日ヒマ?」
「ヒマじゃない」
「ま、どっちにしろ お持ち帰りさせてもらうけどな」
「Σはぁっ!?///」
そう言うと男…バーダックは、俺を持ち上げ、宙に浮かんだ。
すると、バーダックのグループのリーダーであるトーマが叫ぶ。
「バーダック!!! フリーザ様に報告してから王子は持ち帰れ!!」
全くだ。報告しないと どんな目に合うかなんて考えずにコイツは…………って違う違う違う!!!!! 何考えてるんだ俺!! 突っ込みどころが色々と違うだろ!!!!!
まず『持ち帰る』って何なんだ!!!!!!////
「あー。悪いけど、フリーザには適当に誤魔化しといてくれ。じゃな」
そのままバーダックはバシュンッ!!と音を立てて山の方へと飛んで行った。
俺は諦めて、やつにされるがままの状態になる。
こいつ。何処に連れて行くつもりなんだ……と思いながら。
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