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□東方伝記2
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若様に連れられ
裏庭の小屋の前に着く
中に入ると
そこは武器庫になっており、刀や鎧等沢山積まれてひしめき合っていた
奥の方に若様は進み、突然戸棚を横に移動しはじめる
ゆっくりと戸棚をずらしていくと、裏の壁はなんと扉になっていたのだ
ビックリする私にシィーッと人差し指を口に当て
「昔使われていた裏道なのだ。ここから外にでるぞ」
若様はいたずらっぽく笑って扉を開けた
屋敷の裏側は生い茂った森に囲まれており、近くでは弓矢の練習や乗馬等に使われていて
それよりも奥へとズンズン進んでいく若様は
本当に生き生きとした表情をしていた
「足元暗いから気を付けて。ほら、私から離れるな」
「はっ、はい////」
私が転ばないように、若様は手をガッシリと掴んだ後、優しく包み込むように握りしめてくれた
顔が火照っているのが夜の暗さで上手く見えなくて良かったと胸を撫で下ろす
暫く歩いていると、木々の隙間から光が漏れている場所を発見し
そこに向かって足を進めると
「…着いたぞ」
「うわぁ…!!凄い!!」
辺り一面に広がる湖畔が姿を現した
月の光を水面が鏡のように反射し、夜なのにそこだけが明るく灯っているような幻想的な光景
私は思わず息を飲み、あまりの美しさに涙が一筋頬を伝う
「初めてなんだ。ここを教えたのは」
「えっ?」
「秘密の場所。…瑠美だけに教えた」
湖がまるで私達を迎え入れてくれているような
不思議な感覚に陥る
何故若様は私にこの場所を教えたんだろう
胸の鼓動がうるさくて、この静けさでバレてしまうんじゃないかと余計恥ずかしくなる
若様の顔をまともに見れない
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