☆CP

□偽りの愛からの脱出。
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たまに考える事がある。



俺とシズちゃんが本当に愛し合ってたら。





甘い声で何度も「シズちゃん」って読んであげて、躯全身に「俺のモノだ」って刻み込んで……。


甘いキスを何度も何度もしてあげて……。






そしたら、


こんな、




無駄な行為は止められるのに。









池袋の路地裏に響く、低い喘ぎ声。

“また”俺はシズちゃんを犯していた。



俺は何がしたいのかよくわからない。


前も気が付けば、シズちゃんに突っ込むようなマネをしていた。






多分、これはシズちゃんにとって

最高の嫌がらせ。








だから、


甘い声で何度も「シズちゃん」って、耳たぶに噛み付きながら言ってあげて首筋に噛み付いて……。




まるで シズちゃんの事を大好きで堪らなくて愛してるかのように……。










ねぇ シズちゃん


俺はわからないんだ。






俺は シズちゃんが本当に好きなのか

俺は シズちゃんを本当に愛しているのか





ねぇ シズちゃん

教えてよ……











「好きだ」



不意に聞こえる声。

俺は驚いてシズちゃんを見た。





「俺は臨也、お前が好きだ」



涙目で必死こいて声をあげるシズちゃん。





「お前の気持ちが知りたい」




嗚呼 なんでシズちゃんは泣いてるの?

なんで俺はこんなに嬉しいの?












あ、解った。







俺はシズちゃんのことが、

大好きだったんだ。





堪らないくらい愛してたんだ。







もう、自分の気持ちに嘘は つかない




やっと脱け出せるね。








この 偽りの愛 から。






そして俺は初めて


シズちゃんとキスをした。













end.

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