★大宮ちゃんのお部屋★
□遠い日の小さな約束★
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ープロローグー
幼い頃に交わした小さな小さな約束
それはまだ有効?
それともとっくに無効?
「もうっ、太郎ちゃん、また、お口の周りにご飯粒ついてる。」
「あれっ?本当だぁ。」
「太郎ちゃんは、僕がいないと、何にもできないんだからぁ。」
「僕、カズがいないと何にもできない。」
「そんなんじゃ立派なプリンスになれないよ?」
「大丈夫だよ!だってカズがずっと一緒にいてくれるんでしょ?」
「うんっ!僕、太郎ちゃんとずっと一緒にいる!太郎ちゃんの一番の執事になるんだっ!」
「絶対だよ!じゃあ約束のしるしつけて。」
「しるし?」
「パパに聞いたんだ。ここにね、ちゅって紅いあとをつけるの。ずっと一緒のしるしなんだって。」
「うーん、あんまり紅くなんないよぉ。」
「大丈夫、初めてのしるしはね、ずっと消えないんだって!」
「ずぅーっと?」
「うんっ!カズが僕のこと想ってくれてたら、ずぅーっとだよ!!」
「大丈夫だよ!だって僕、太郎ちゃんのこと大好きだもん」
「僕もカズのこと大好きだよ」
それから暫くして二人は離ればなれに
太郎は王子になるべく人間界に修行へ
カズは立派な執事になるための勉強をしにアカデミーへ
二人が再び出会うのは何十年もあとの話