平和と家
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翌朝。天気はあいにくの雨。ついに戦いの日はやってきた。
戦いが始まるのは深夜。イタリアのとある街に呼び出されていた。皆がビシッとした格好で、いつも以上に緊張して隊服に袖を通した。多くが白のシャツの中、相変わらずベルはボーダーだった。夜21:00頃。ヴァリアーはヴァリアー邸を後にした。
「…今日戦うのは誰なんだい?」
車内でマーモンが尋ねた。
「相手を見て決めるつもりだぁ。合う合わねぇは考えて出す」
スクアーロがそう言うと、マーモンは了解、と告げた。車内はやっぱり緊張しているのか、いつもと比べれば明らかに皆が静かだった。
待ち合わせの街に着く。着いたのは22:30。あと30分。その時名前の携帯が鳴った。
『…ウラーノ…!』
ウラーノからのメールだ。
「…読め」
ザンザスに言われたので名前は読み上げる。
『…いらっしゃい、名前、そしてヴァリアー諸君。君らには或るホテルに向かって欲しい。…』
読み上げると運転手がそのホテルに向かって車を走らせた。
「…いらっしゃいってことはー」
「ああ。俺らがついたことに気づいてやがるぜぇ」
フランの言葉にスクアーロが続いた。やっぱり相当の手練れだと思い、ヴァリアー幹部内に緊張が走った。
ホテルに到着すると、まるで待っていたかのように案内するボーイ。名前たちはボーイについていき、最上階のスイートルームに来た。
ボーイが扉を開ける。そこにいたのは。
「やぁ、久しぶりだね名前」
ウラーノをはじめとするコズモファミリーの面々。ヴァリアーはとっさに殺気を出したが、ウラーノは笑った。
「そんなに身構えなくてもいいじゃない。まだ時間はある」
ウラーノは時計を指さす。時計がさす時間は22:50。
長い机に綺麗に並べられた椅子。そこにコズモファミリーの面々が座っていた。
「うわ、出たよ。おっさん」
ヴェスペロが言う。
「プリンス・ザ・リッパーもいますね」
メルクーリオが言う。
コズモファミリーは嘲笑を浮かべる。そしてウラーノが近寄ってきた。