平和と家
□09
1ページ/5ページ
次の日にはヴァリアー全体にパーティーにあったことが知れ渡っていた。噂が噂を呼び余計な尾ひれまでついていたりもしていた。
ベルと名前は当日に目覚めることなく次の日に目が覚めた。最初に目覚めたのはベル。そして数時間後名前が起きる。
『…ん…ベル?』
隣のベッドに座っていたベルに気づいた。
「目覚めた?カマ呼ぶぜ?」
ベルは無線でルッスーリアを呼んだ。
『…ありがとう。ベル大丈夫なの?』
昨日の記憶がありありと思い出された。
「うん。名前。王子の昨日言ったこと忘れてほしーんだけど」
『昨日言ったこと?』
「王子と結婚してって話」
ベルは言う。そのもう何度か聞いたはずのその言葉にまた顔が赤くなった。
『あぁー。』
「何その間抜けな声。でも忘れてってのは王子が名前のこと嫌いになった訳じゃねーから」
そうか。一回申し込んだものを取り消されそうなんだ、今は。名前の脳内も少しずつ落ち着きを取り戻してきた。
『うん。わかった』
「王子昨日名前のこと守れなかったから。王子が名前のこと守れるほど強くなったらまた俺の気持ち聞いて」
ベルはそう言った。真顔でまっすぐ名前を見て。
『…うん。』
名前もまっすぐベルを見た。
すると。
「名前!」
ルッスーリアが入ってきた。
「大丈夫なの?どこか痛いとこは?気分は悪くない?」
ルッスーリアが早口言葉のように言った。
『うん。大丈夫。多分髪くらいしか変なところはないよ』
名前は自分の髪を見ていった。昨日までは黒だったのに今は茶色。何だか不思議である。
「髪色ねぇ…あなた、目の色も変わったのよ」
ルッスーリアが鏡を見せた。そこには顔は自分なのにどこか違う名前が映っていた。
『うわー。何か誰って感じだよね』
名前はそうぼやいた。
「でも王子はその色も嫌いじゃないぜ?」
ベルはそう言った。
「たしかに似合ってるわよね♪」
ルッスーリアも頷いた。
『ありがとう』
名前は照れながらそう言った。