平和と家
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『ありがとう、沢田。あなたたちが来てくれて本当に助かった』
名前はそう言った。
「いや、いいんだよ。それに俺も何だか影響されたよ。君が望むようなボンゴレになればいいと思うんだ」
『なればいいじゃなくて沢田がそうするんだよ』
名前は笑った。沢田はやっぱりボスになる気にはまだいまいちならないようで、苦笑いした。
『では、気をつけて。』
「じゃあなぁ」
名前とスクアーロが言った。沢田はペコリと頭を下げ、ヴァリアー邸を後にした。
『やっと全部終わったんだね』
名前はそう言った。
「そうだなぁ。名前もしばらくは休んどけぇ。お前には多分しばらく任務がいかねぇだろぉ。お前に過保護なボスさんだぁ」
スクアーロがそう言うと、ガシャン!とまぁ聞き慣れた音が鳴った。
隣でスクアーロが前につんのめって転ぶ。
「何しやがんだぁ!クソボスがぁ!!!」
「るせぇ、カス。名前、着いてこい」
お気の毒に、とスクアーロに視線を送っていたらまさかの自分への呼び出し。だが動揺などは何もない。
『じゃあね、スクアーロ』
そう言って素直にザンザスの背中について行った。
名前とザンザスが着いたのは、ザンザスの自室だった。
ザンザスは自分の椅子に座る。そして話し出した。
「テメェが何を考えてるか、今回の戦いで明確に理解した」
ザンザスが言った。
『ご無礼なことをすみません』
名前はそう言って謝った。
「そんなことはどうでもいい。俺が言いてぇのはそんなことじゃねぇ」
「名前、まだ平和のために貢献する気はあるか?」
名前は正直戸惑った。ザンザスが何を考えているかわからなかったからだ。
『…欲を言えば、やりたいです』
そう言うと、ザンザスは笑った。
「なら、テメェにそのチャンスをやる」
最初、聞き間違いだと思った。でもザンザスが資料を出してきて、それを読み上げたとき聞き間違いではないことがわかった。