平和と家
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「ボンゴレが動き出したと連絡が入った」
ウラーノが談話室のような部屋で幹部に告げた。
「それじゃ作戦通りに動き出せばいいと」
ネットゥーノが言った。
「そうだな。散るか」
サトゥルノのその声と共にその部屋にはウラーノと名前だけが残った。
「君にはここぞという時に出て行ってもらうよ。君の効果はどんな攻撃よりも大きいからね」
名前は頷いた。ウラーノは満足そうに笑った。
入口からネットゥーノ、ヴェスペロ。ジョーヴェ、メルクーリオ。マルテ、サトゥルノの三組に分かれた。
移動は車。ボンゴレ側はまだ移動していた。アジトとの距離は結構あったようで時間がかかる。
「今回の目的は名前を連れて帰ることだぁ」
スクアーロが言った。
「それさえ達成すればいいってことだ。長居は無用」
リボーンが言う。雲雀はちょっとつまらなさそうな顔をした。
「中には相当の術師がいると聞いてますからね、僕としては楽しみだ」
骸が笑う。綱吉は眉間にしわを寄せていた。
「相手にも寄るが基本的に名前の救出の方に主に回ってもらうのはベルフェゴールとツナと山本とスクアーロだ」
リボーンが言った。
「えっ!?俺は戦わなくていいの?」
綱吉が驚いて声を上げた。
「お前は助け出した名前の護衛役だぁ。つまりどんな奴とでも戦う可能性が高ぇ」
スクアーロが言った。綱吉は返事をした。手の内は互いに知れているからどちらに所属している者も連携はとりやすい。
ボンゴレ側は目的地に着くまでの残された少ない時間を作戦を立てるのや無駄に体力を消耗しないように使った。
コズモファミリーのアジト内、一番内奥を守る二人、マルテとサトゥルノがいた。
マルテは考え事をしていた。コズモファミリーの幹部たちはウラーノの口から明確に操りの術を名前自身にかけたことは言われていない。だが見るからにそれは明らかだった。名前のいきいきとした目が死んだように虚ろなのだ。