黒子short

□おかえりダーリン
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『は?』

「まじで悪い。今度の週末は絶対行けるようにすっから」

私のスマホから聞こえるのは大好きな清志の声なのに、私は不機嫌だった。

『いつもさ、そうじゃん』

清志は研究の関係で今は元々住んでいた東京を離れて研究に打ち込んでいる。清志がやりたいことがそこでしかできないみたいだったから、私は清志の決意を黙って飲み込んだのだ。だからなかなか会うことはできず、今週末2ヶ月ぶりに会える予定だったのに。

『1ヶ月くらい前にも同じようなことあったじゃん』

本当はね、清志と一緒にいたいの。でも、清志の幸せとか考えたら、傍にいてなんか言えるわけないじゃん。

「ライ『清志なんかもう知らない』

私はそのままスマホの電源を切った。私がもっと強ければ清志のお荷物にならないのかもしれない。でも、もう清志に会えないの辛いんだもん。自分から知らないって言ったのに涙が溢れてきて。ただ会いたかっただけなのに。私馬鹿だなって思って。その日は一人膝を抱えて泣いた。




いつのまにか寝てしまっていたらしい私は、リビングに差す日光で目が覚めた。とぼとぼと歩いて鏡を見れば、真っ赤に腫れた目。

『「ぶっさいくな顔」』

ふと感想を漏らせば、聞こえるはずのない声。振り向けばやっぱりそこにいたのは清志で。

『清志…』

名前を呼んだら、合鍵で入った、と言われ抱き締められた。一瞬夢かと疑ったが、その匂いや温度で現実だってわかって。私も清志の背に腕を回した。

『結局来れてるじゃん』

私がそう清志に言うと、頭をぺちんと叩かれた。

「お前があんなこと言うから体調不良って嘘ついてきたんだよ」

『え?…ごめん』

清志の大きな手が私の頭を撫でる。

「いや、俺も悪いし」

ごめんな、と清志が言った。そう言われれば許すしかないのに。

「ライが知らないとか言ったから、泣かしちまったのはわかってたけどそんなに泣くなよ」

『…会いたかったんだもん』

私は清志にもっと強く抱きついて。

「明日の夜に帰るから、それまでは嫌でも離してやんねーからな」

『うん』

ちょっとだけ笑った清志の顔を見て、まぶたを閉じる。その直後に唇に幸せ
な温度を感じた。








◎あとがき
うわぁぁぁぁ。大好きな宮地さんなのに駄文っぷりが半端じゃないですね。すみません。お目汚し。
今度何かやらせていただくときはもっと素敵なお話を書けるようになってたいです。

では、ここまでお付き合い下さった方!ありがとうございました!
また、素敵な企画を考えてくださったここさんもありがとうございました!
また機会があればよろしくお願いします!
 

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