黒子short

□direct message
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そんな風に思ってたとき、私に話しかけてきた人がいた。

「君名前なんて言うのー?」

声の方を見ると、先ほどすごい音のドリブルをついていた人がいた。確か名前は…葉山先輩。

『あ、ライって言います』

普通に返すと、葉山先輩は屈んで私と同じ目線になり私のことを見た。何かついてたりするのだろうか。

『あ、あの…』

少し気まずくて話しかければ、葉山先輩は先ほどと同じように明るく返した。

「あーごめんごめん!赤司が女の子連れてくるなんて珍しいなって思っただけだから!!」

その言葉に私は少し気恥ずかしくなると共にちょっと嬉しくなる。

「でもやっぱり赤司の彼女だね。可愛いし」

『か…!!!』

彼女!?周りにはそう思われてたの!?

そう衝撃を受けていたところに赤司君が現れた。

「何をしている、小太郎」

私をじろじろ見ていた葉山先輩に赤司君が声をかけた。

「いや、赤司の彼女どんな子なのか見ておこうと思って!!」

そう笑う葉山先輩に赤司君はため息をついた。

「小太郎、その人は俺の彼女じゃない」

「えぇ!?そうだったの?」

赤司君の言葉に葉山先輩は驚いていた。いや、そりゃあ私と赤司君じゃ釣り合わないよ…。

「ちょっと今日は約束があるだけだ。行くよ、ライ」

『あ、はい!』

私は体育館を出ようとする赤司君の背中を追いかけた。









校門をくぐり、赤司君の隣を歩いた。さりげなく車道側を歩く赤司君に少しときめく。

「何だらしない顔してるんだ?」

赤司君。あまりに正直すぎるよ。

『い、いや何でもないです』

幸せすぎて死にそうなんですよ、もう。
大好きな赤司君と帰れて。

赤司君はクスクス笑った。

「やっぱりライは面白いな」

『それって褒めてる?』

「そのつもりだよ」

赤司君の大きな手が私の手を捕らえた。

『…!?』

衝撃を隠せない私を見て赤司君は笑った。

「お前はほっとくと危ない」
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