黒子short
□direct message
1ページ/4ページ
ただいま、夕方6時。私は授業以外では滅多に来ない体育館にいた。事の発端は今朝私が赤司君に話しかけたあの時だった。
『赤司君今日誕生日なんだってね!』
私と赤司君は実は席が隣で、赤司君に片想いをしている私にとっては本当に素敵な席だったりする。だからこうやって何のためらいもなく話せたりする。まぁ、緊張はするのだけど。
「ああ」
赤司君は綺麗なオッドアイに私を映して頷く。
『誕生日おめでとう』
私がそう伝えれば、赤司君もふっと微笑んだ。その笑みに心臓が早鐘を打つ。
「ありがとう。プレゼントは?」
赤司君が言った。私ははっと気づく。プレゼント位準備しておけば良かった、と。正直おめでとうと言えれば私の中では満足だったのだ。
『お菓子しかないや』
食べる?と私が赤司君に聞けば、赤司君は少し笑って言う。
「冗談だよ。でも、もし何かくれる気があるなら」
赤司君がそこで言葉を切った。
「…ライは今日放課後空いてるか?」
特に部活にも所属していない私は、用事もなかったので頷いた。すると赤司君が不適に笑った。
「なら、今日一緒に帰らないか?」
『…え?』
思ってもみないサプライズ。私はきっと真っ赤であろう顔を見せないよう俯いて頷いた。
「教室で待つんじゃ寒いし、もしよければバスケ部を見に来てもいいよ」
赤司君の思ってもみないサプライズその2に、私は内心ドキドキと嬉しさに飛び上がりそうになりながら、赤司君の言葉に頷いた。
そして、今に至る。赤司君は普段でもすごくかっこいい。それなのに、バスケしてるとすごい。もっとかっこいいなんて。普段教室では見られない赤司君の姿にいつもより早い鼓動を感じた。
7時をまわって、ついに部活が終わった。赤司君は着替えてくるからもう少しだけ待っててくれ、と私に告げた。私はその言葉に素直に頷き、自主練を始めた他のバスケ部の人を見ていた。初心者の私が見ても思う。強いことは知ってたけど、やっぱりうちの学校のバスケ部はうまいと思った。