黒子short
□プレゼントは…
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「今日飯も一人なんすけど、ライも一緒に食っていかね?何か出前取ったりしてもいいし、俺一人とか寂しいし」
『うん。じゃスーパー寄ろう?』
「へ?何で?」
『プレゼントとかないし、ご飯くらいは作ってあげたいなーって思ったんだけど』
あーっ、と和成が頭を抱えた。
「ライの飯食いてー…、でも一緒にいたい」
なんて恥ずかしいことを公道で言う奴なんだ。私は照れ臭くて視線を逸らした。
「あ、じゃーさ!俺も一緒に飯作るってのは?」
『えー!じゃプレゼント代わりにならないじゃん』
私はそう返した。
「だって一緒にいてーし、ライの飯も食いたいし、それが一番の名案じゃね?」
私は和成のこの提案を結局承諾した。
和成が何を食べたいのか聞いて、その食材を買う。あと二人で食べれるくらいの小さなケーキも買った。スーパーを出るときには、和成が荷物を持ってくれて。あー本当どっちの誕生日なんだろうか。
和成んちに着けば、早々と台所に二人で並んだ。
『和成料理できるよね?』
今更だが確認する。
「もちろん。うちのエース様とは違うからな」
二人で分担して料理をする。
和成の案に承諾はしたものの、やっぱり和成が近くにいるとなんていうか気が散っちゃって、指を切りそうになる。
「何かいいなー」
和成が言った。
『何が?』
「俺ら新婚さんみたいで」
恥ずかしいことを言うものだから、私の動きは止まる。
和成は私がだんまりなのに気づいて笑う。
「照れてる?」
『…うるさい』
私は料理に集中しようと思ったが、和成は満面の笑みだった。
(そんな耳まで真っ赤にされたら俺のこと誘ってるようにしか見えねーんだけどな)
二人で分担してやった結果、かなり早く夕飯は完成した。さすが器用な和成だ。料理も上手かった。
「うわー美味そう!」
和成が喜ぶ顔を見て、何だか嬉しくなった。
二人で食卓で向かい合って食べ終わったのは19:30のことだった。
私が片づけをしている間に(片づけは絶対一人でやるって言った)和成はお風呂に入った。