黒子short
□Strawberry Girl
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『間に合ったぁー』
私はふぅ、と息を吐いた。目の前にはストロベリーチーズタルト。誰のために作ったかと言われれば、それはもちろん私の先輩兼彼氏である氷室先輩だ。
初めての彼氏だから何プレゼントしたらいいかわかんないし、不安もあるけどケーキだけは成功しそう。ちゃんと好みも調べてから作ったからあとは味次第だ。
私は出来立てのタルトを冷蔵庫にしまった。
氷室先輩との約束の時間まであと15分。私は急いでキッチンの後かたづけをして、氷室先輩が来ても大丈夫なように準備した。
ちょうど約束の時間。
家のインターホンが鳴った。私は急いで家のドアを開けた。
「ライ、おはよう」
ドアを開ければ、そこには私服の氷室先輩がいた。
『あ、おはようございます!』
かっこいい…。何度見てもやっぱりかっこいい。
本当にたまたま恵まれたことに今日は先輩の所属するバスケ部のオフが重なったのだ。
おかげで久しぶりの私服が拝めたわけである。本当にかっこいい。
すると、先輩はクスクス笑い始めた。
「ライ固まってる」
『…あ』
つい先輩に見とれてしまって、動きが止まってしまっていた。私は急いで氷室先輩を家に入れた。
「ライの部屋でいいの?」
『あ!はい!!』
私は飲み物を準備して氷室先輩と一緒に自分の部屋に行った。
部屋では氷室先輩と並んでソファに座る。
「今日の私服、可愛いね」
なんて氷室先輩の言葉に体温が上昇するのを感じる。私は耐えきれず、最初に氷室先輩へのプレゼントを渡すことにした。
『た、誕生日おめでとうございます!あ、あの。これプレゼントです!』
私は氷室先輩にラッピングされた袋を渡した。氷室先輩はちょっと驚いたような顔をした。
「買ってくれてたんだ?開けてもいい?」
氷室先輩の言葉に私が頷けば、氷室先輩は袋を綺麗に開けた。
中に入っていたのはスポーツタオル。バスケ部の氷室先輩なら必ず使うだろうと思ってこれを選んだ。
「ありがとう。大切に使うよ」