黒子short
□絡まる
1ページ/2ページ
黄瀬君とおしゃべりしながら部活に向かう。教室の階とかは違うんだけど、たまたま会ったので一緒に体育館に向かっていた。
『今日のメニュー辛いらしいよ』
「えぇー!マジっスか!?」
二人で部室に入るとそこには赤司君がいた。
「二人一緒なんて珍しいな」
『たまたま会ったの!』
私は急いでドリンクの準備をする。タイマーや他の仕事もまだある。
スポーツドリンクを体育館まで運べば、キャプテン兼私の恋人である赤司君に呼ばれた。
「ライ、ちょっといいか」
『あー…タイマーとかやってからでもいい?』
赤司君は、ああ、と返した。急いでタイマーを準備し、ボールケース二つにボールを分ける。他にも色々な準備をして終わってすぐに赤司君のところに行った。
「ちょっと着いてこい」
赤司君はバッシュの紐を結ばないままでいて、私を体育館の外に連れ出した。
一体なんだろうと思って素直に着いていけば、連れて行かれたのは体育館裏。そこに着いたとき、赤司君は足を止めた。そしてそのまま真っ直ぐに私を見る。
真っ直ぐな視線に捕まったかのように動けなくなった。微動だにすれば、もう戻ってこれないかのような緊張感。
「…ライはさ」
二人の間を埋めていた沈黙を赤司君が破る。
「僕をそんなに怒らせたいわけ?」
赤司君が言う。
…一体何をして彼を怒らせたのか、全くもって予想がつかない。何かマネージャーの仕事でミスでもしただろうか。
『何の話…?』
私がそう言えば、赤司君はため息をついた。
「ライが気づいてないとは思ってなかったよ。僕はわかりやすく接していたつもりだったけど」
赤司君が私を体育館の壁に押し付ける。
もう顔が触れてしまうんじゃないかと思うくらい近くに赤司君がいる。耳元で赤司君が囁く。
「ライ」
掠れた声で囁く赤司君に心臓がはねる。漂う色香に酔いそうになる。
『ぅ、あ…はい』
返事をすれば、赤司君は笑う。
「可愛いよ」
そのまま赤司君の唇が首筋を這う。くすぐったくて、身を捩らせれば、逃がさないよ、と言われた。