黒子short
□どうでもいいこと
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「ライ、今日は一緒に帰るぞ」
赤司の声がした。
はぁ!?そう思って後ろを振り返れば、ライはわかったー、とか言って黄瀬とフリースロー対決をしている。
「何で赤司とライが一緒に帰んだよ」
俺がそう言ったら、スパッとネットを揺らしてフリースローを決めたライが答えた。
『何か部の買い出しだよ。いーじゃん別にー』
青峰はお母さんか、とか言ってリングを通ったボールを拾ってそのままレイアップを決めるライ。
「誰がお母さんだ、ばーか」
そう俺が言ったらライは怒る。
『誰がバカだ黒峰』
「青峰だ俺は」
そんなことを言っていたら赤司がライの腕を引っ張りそのまま部室へ連行。黄瀬がライっち〜!なんて言うが、そんなことをしたって赤司の手からライが帰ってくるわけがない。勝負はお預け状態の黄瀬がレッグスルーをしながら俺の隣に腰を下ろした。
「ライっち、早くしないととられちゃうっスよ」
黄瀬がドリンクを飲み、汗をタオルで拭いた。
そんなこと、言われなくたってわかってる。
「俺はアイツなんかどーでもいいっつの」
俺は強がりを言ってシュートをうつ。
赤司のお気に入りに見事なってしまったライは、かなり赤司の傍にいる。というかそうさせられてる。拒否なんてしたら今頃アイツは体育館にはいないだろう。
でも嫌々赤司の傍にいるわけではない。赤司のことが嫌いなわけではないのだ。それが苦じゃないから俺も何も言えない。赤司にやめろなんて言ったら俺自身も危ないし、ライにも意味がわからないと思われるだろう。
俺がモヤモヤするだけの日々が続いていた。
今日も一緒に体育館を出ていく二人の姿に胸の奥の方で何かがくすぶる。
超イライラしてリングにボールをたたき込んだ。
「青峰君ゴールは壊さないようにお願いします」
テツが静かに言った。
ライとはさつきよりは一緒にいる時間は短いが、小学校からの仲だ。