黒子short
□Sweetie
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いつものように午前練の準備をして学校に行く。すると道中私の恋人である紫原淳、通称あっくんとたまたま会った。
「あ、ライちんおはよー」
『あっくんおはよう』
徒歩で学校に向かう。その中あっくんはひたすら手中にあるポッキーを食べる。
本当にお菓子が大好きなのだ。でもその分部活で動く量も半端じゃない。赤司君のしごき方はとてつもなく厳しいのだ。
「ライちんも食べる?はい、あーん」
あっくんはポッキーを一本持って私に食べさせてくれた。
『ありがとう』
「どういたしまして」
あっくんはそう言ってまた自分の口へとポッキーを運んだ。本当にあっくんの体はチョコとかスナック菓子からできてるんじゃないかと思う。
あっくんはポッキーを食べ終えてしまったようで、手が空く。すると、あっくんの左手が私の右手を包み込んだ。
あったかくて大きな手。大好きなあっくんの手。
「お菓子もなくなっちゃったしこうやって歩くのもいいなーって思って」
あっくんは微笑む。
『…嬉しいよ?』
そう言えばあっくんもちょっと嬉しそうに頷いた。
すると後ろから誰かに突っこまれ抱き締められた。
「おはよーっス!紫っちとライっち!!」
後ろからの突撃の犯人は黄瀬君だったようだ。
『おはよー』
黄瀬君が抱きついてくるのは結構いつものことで、普通に挨拶をする。でもあっくんは不機嫌だった。
「黄瀬ちんライちんは俺のなんだけどー」
黄瀬君の腕から解放され、あっくんに強く抱き締められる。公共の場なのに…恥ずかしい。
「いーじゃないっスかー。スキンシップっスよ、スキンシップ!」
「…あまり利かないなら捻り潰すよ」
あっくんから冷たい殺気がでる。黄瀬君もさすがにこれには参ったようで、わかったっス、と言って私たちの少し前にいた赤司君のところに走っていった。
また先ほどと同様に二人で手をつないで歩き出す。するとあっくんはまだ不機嫌そうに言った。
「ライちんも少しは黄瀬ちんに抵抗してよ」