黒子short

□俺の番
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『〜〜っ』

悔しくて泣いた。悲しくて泣いた。本当に本当に大好きだったから。


私は海常高校のマネージャーの二年生だ。二つ上の先輩と付き合っていたけど、さっき別れを告げられた。
彼はバスケ部でその代のエースだった。どんなピンチの時もチームを救ってくれた彼の姿に私はすぐに恋に落ちた。
でももうその恋も終わった。
きっと大学でもっと可愛い素敵な娘を見つけたんだろう。幸せになってとはまだ言えないけど…。

頬を伝う涙の勢いは止まることを知らないかのように流れた。公園のベンチに座り泣くことに疲れたが、涙が止まらない。どうやって帰ろうかなんて思ってたときにたまたま公園の前を通りかかった奴がいた。

「ライ先輩じゃないっスか?」

顔を上げれば現海常のエース、黄瀬涼太だった。

『黄瀬君…』

泣いてることに黄瀬君は驚いたようだった。

「わっ、何でこんなとこで泣いてるんスか!?」

黄瀬君がハンカチを出し、涙を拭ってくれた。

「俺でよければ話聞きますよ!」

黄瀬君が私の隣に座る。そして背中を撫でてくれた。優しい子だなって思った。私は黄瀬君に話した。悔しくて悲しくて辛いこと。黄瀬君は私が話し終わるまで黙って聞いていてくれた。

『フラレちゃった、先輩に』

笑おうとするが笑えなかった。そんな私のぶっさいくな顔を見て、黄瀬君は腕を私の背中に回した。

「無理して笑われんのは嫌っス。辛いなら泣いて下さいっス。俺は離れませんから」

黄瀬君のTシャツに私の涙が染みた。

「何かこんな時言うのは卑怯かもしれないっスけど」

黄瀬君が一度私を離して両肩に彼の手がおかれた。

「次は俺が先輩を幸せにしますよ」

黄瀬君の真剣な眼差しが私を射抜く。
どういう意味…?
そう聞く前に黄瀬君の唇と私の唇が重なった。

「俺はずっと先輩のこと好きだったっス。俺は絶対先輩を泣かせませんから」

そう言う黄瀬君はすごい必死だった。

『本当に私が好きなの?』

「そうっスよ!ずっと先輩がフリーになるの待ってたんスから」
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