シリウスに手を伸ばして
□新学期と違和感
1ページ/3ページ
4月になった。気づけば新学期となり、桜の咲く季節となっていたようだ。何だかんだで一年あっという間だったなーなんて思いながら、クラス替えの紙を見に行った。
「きーちゃん!ライ!おはよう!」
さつきの声が後ろから聞こえた。涼太と振り返れば、さつきと青峰がいて。四人で一緒にクラス替えの紙を見に行く。
「ゲッ俺また緑間と同じクラスかよ!」
青峰が言った。
「え〜テツくんと違うクラスだー」
さつきが肩を落として言う。割とクラスはバスケ部的にはあまり変わらなかったようだ。でも私はテツと離れてしまって。
「ライ、一年間クラスメートとしてもよろしく頼むよ」
後ろから征十郎の声がした。
『…まぁよろしくって言っておくけど何かおかしくない?私と征十郎は今までテストでずっと1位2位をキープしてたのに同じクラスなんてさ』
「そうか?恐らく何か学校側で困ったことがあったんじゃないか?」
死ぬほど爽やかな笑顔で私と話すコイツが犯人なのは何かカンでわかった。征十郎と同じクラス。うん何だか嫌な予感しかしない。
『…残念だねクラス』
そう青峰に言うと、そうか?と言われた。
「ま、隣のクラスにはなれただろ」
隣のクラス。つまり体育は一緒だ。
『去年よりはいっか!』
「そうだろ」
ああねみーと大きな欠伸を青峰がする。
「青峰君行儀悪いですよ」
「うわっ!テツかよ!ビックリさせんな!」
『おはよー』
「おはようございます」
クラス離れてしまって残念ですね、と言うテツはやっぱり征十郎と違って可愛げがある。去年の方がやっぱりよかったんじゃ…と思ったが、口に出せば災いを招くことはわかりきっていたのでやめた。
教室に征十郎と青峰と真ちゃんと向かう。奥の教室の青峰と真ちゃんに手を振り、二人で教室に入る。なんと隣の席の人の名前を見れば、赤司征十郎の名前。
『…まさかここまで一緒にしたの?』
「これは俺も予想外だったな」
まぁいい誤算だ、なんて言いながら征十郎と席についた。まぁいいか。荷物をおいて征十郎とホールへ向かう。始業式だ。
自己紹介とかそういう面倒なものをすべて終わらせて、やっと放課後である。ずっと部活だけだったからまた学校が始まるとなるとやっぱり疲れるなーと思いながら、バッシュを履く。
女バスの練習が終わって男バスの体育館に来たところだ。青峰は涼太と1on1をしている。こうやってみてると、やっぱり涼太もうまくなったなぁなんて思う。私はボールを持って少しドリブルをついて、リングに向かう。
「…最近青峰の調子がいいな」
男バスの監督の声が聞こえた。そちらの方を見れば、さつきと監督が話をしていた。実はそうなのだ。ある日二軍の練習試合についていったときから、随分青峰の調子がいいらしい。実際それは1on1していても思う。全体的にプレーの質が上がった。