シリウスに手を伸ばして
□デート
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無事春期大会は男女共に優勝して。その翌日は珍しく1日オフだった。そしてその日は、ライと青峰の初デートである。 言い出したのは青峰で、この日でいいじゃねぇかと言った青峰の言葉にライが頷いたことからこうなった。
さつきたちと出かけたときは、涼太に服を見てもらったが、今回は涼太に言わなかった。どうせ話したら騒がれるし、下手したら尾行されかねないと思ったからだ。そんなことされるくらいなら一人でいいや。と色々準備をして、待ち合わせ場所にたどり着いたわけだが。果たして青峰は起きているのだろうか。前はさつきが一緒だったからその辺は任せっきりだったが、今回は私しかいない。うわー家出る前に電話しておけばよかったなーなんて思ったら、よっと後ろから声をかけられた。もしかしなくても青峰である。
『…起きれるんじゃん』
「今日は少し遅めにしたからな。待ち合わせ」
確かに試合の疲れもしっかり落とそうということで待ち合わせは遅めにした。なるほど。こうすれば青峰はちゃんと時間通りに来るのか。
んじゃ行くかと青峰の言葉に従って、私も歩き出す。今日はライの希望で、二人でプラネタリウムに行こうという話になった。
『ザリガニとったりしないでよ』
途中の川を眺める青峰に言った。
「あ?楽しいけど?」
『私あんまり虫とかザリガニとか興味ないし』
「ま、でも今は冬眠してる辺りだからいねーだろ」
さすがというべきなのか、まぁ私は安心して青峰についていく。
二人で私服で歩く道はやはりいつもとはどこか違う。いつも一緒にはいても、やっぱりこうやって会うと何か特別な気持ちになるのだ。
冬も終わりかけだがまだ少し寒い。そんなことを察したのか、青峰がライの方を見た。
「手貸せ」
青峰がライの手をさらって自身のポケットに突っ込む。少しだけ二人の距離が近くなる。手は暖かい。ライは頬がほころぶのを感じながら、青峰の隣を歩いた。
プラネタリウムに着く。二人でチケットを買って開場を待つ。
「なぁライって小学生ん時どんなんだったんだよ」
青峰が尋ねた。
『どう…って卒業したの一応去年だからねぇ。あんま変わってないんじゃない?』
ライはむしろ青峰は?と尋ねる。
「カエル頭に乗っけてさつきなかせたりバスケしたりしてた」
『それは泣くよ』
かわいそうに、とか言いながらライは少し笑っていた。そんなことあったんだと昔の青峰を知れて嬉しくなったのだ。でもそれは青峰がライを知りたくて聞いたのに青峰は何も知らずじまいみたいな状況である。そんなの青峰が納得するわけがない。
「…俺はお前のこともっと知りてぇ」
『急にどうしたの?』
「ホワイトデーの時に俺はライの何も知らねぇんだなぁって思ったから色々知りてぇってことだよ」
よくわからないライだったが、嫌な気はしない。
『知りたいなら別に話すけどさ。何も知らないってのは嘘つきだね』
私がそう言うと、青峰がライを見つめる。