シリウスに手を伸ばして
□GIRLS TALK TIME
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ライは頭を抱える。うん…。どうすべきか。これはやっぱり私が一緒に作るしかないか…。
『なら、さつき。今年は私と作ろうか!』
そう言うと、さつきは目をきらきらと輝かせた。
「本当に!?」
『うん。家おいでよ。今度の週末でも』
さつきは元気に頷いた。これで男バススタメンの命が落ちることはないだろう。
さつきにまた話そうと言って、教室に戻る。そして誰と話すでもなくぼんやりと考え事をした。皆甘いもの好きかなーとか何作ろうかなーとか。
「ライさん」
『うわぁ!テツか』
珍しくテツが背後に立って驚いた。いつもはだいたい気づくのに。
「すみません。考え事してるみたいで何だか気になってしまって」
『あー、うん。大丈夫』
もういいか。直接聞くか。てか全部テツに聞けばわかるか。
『テツー』
「はい」
『皆甘いもの好き?』
「…バレンタインですか?」
さすがテツ。私はその言葉に頷いた。
「そうですね…」
テツが考える。
「ご存じの通り紫原君は甘いものがとても好きです。赤司君と緑間君は食べても和菓子ってイメージが強いです。青峰君は食べれなくはないと思いますが、甘すぎるものはあまり好きではないと思います。僕は割と好きですよ、甘いもの」
『うーん…』
そうか。じゃ涼太も甘いの結構好きだし、涼太とテツと敦用のと他のを作ればいいのか。
「青峰君喜んでくれるといいですね」
テツが笑った。
『な、バカ!!テツ!!!』
テツまでもう何なんだ。皆でそうやってネタにしちゃって。
顔を赤らめる私にテツが笑いながら、顔真っ赤ですよ?と言った。誰のせいでこうなったと思ってるんだか。
でも何だかんだって皆応援してくれてるのはわかるから。私も本気では怒れなくて力なく笑った。
週末の午後。
「よし!ライ頑張ろうね!!」
エプロン姿のさつきが言った。
『うん』
とりあえず自分のもある程度作ってさつきのを人が食べられるものに出来れば私の今日のノルマは完璧だ。