シリウスに手を伸ばして

□話してみる
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久しぶりの男バスも女バスもオフの日、私は自主練をしに体育館に来た。いつもは誘う涼太も今日はモデルの仕事があるらしく、久しぶりに一人で学校に来たのだった。

女バスの体育館を覗いてみると…。

『あれ?』

知らないおばさんたちがバレーをしてる。つまり、ママさんバレーで体育館を使っているようだ。私はそれなら仕方ないと、男バスの体育館に向かった。しばらく近づくと、体育館の中から決まったリズムでボールの弾む音が聞こえた。そのリズムは一切乱れを感じない。故に私はそれが誰だか体育館に入る前から見破っていた。

『真ちゃんおはよー!』

大声で叫んで試しに体育館のドアを開けてみたところ、やはり予想通りそこにいたのは真ちゃんだった。しかもちょうどシュートをうつ瞬間で、びっくりしてしまったのかいつも高いループが今回はさらに高い。リングの端に当たって弾かれ、ついに一定のリズムを乱してしまった。

「一体何なのだよ!」

真ちゃんが予想通り怒る。しかも今回は結構まじめに怒ってる。

『はは、ごめんごめん。そんなびっくりすると思わなかった』

私はバッシュの紐を結び始めた。

「…ライも自主練に来たのか?」

『ん?そうだよ』

真ちゃんはもう怒ってないようなので、安心する。何だかんだって真ちゃんは優しいんだよね。そんなこと言ったら顔真っ赤にするのが目に見えてるけど。

『真ちゃんもすごいね。何時から来てんの?』

「昨日の順位が11位だったからか教室に忘れ物をしてな。予習も出来なかったので朝から学校には来ていたのだよ」

『忘れ物取りに来て勉強はしてないんでしょ?超シュートうってるじゃん。疲れてないの?』

「…たまには限界を超えるような練習もしなければならないからな」

真ちゃんはまたシュートをうった。今回は見事なシュートが決まった。さすがの一言だ。

『今のチームなら真ちゃんが限界を超えなきゃならないような試合なんかなさそうだけどね』

だってすごいの真ちゃんだけじゃないもん。真ちゃんだってすごいけど、スタメンのセンスは本当にすごい。ちょっとやそっとのチームじゃ帝光は崩せないだろう。
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