シリウスに手を伸ばして
□初詣
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「ライ超似合ってるじゃないっスか!!!」
『そうかな。涼太も似合ってるよ』
1月1日。朝。私の家の前に和服の涼太。そして同じく和服の私。
「あら!!涼太君かっこいいじゃない!」
母さんまで出てくる始末。私は涼太のもとまで行って、母さんに行ってくる、と言って家を出た。今からは初詣だ。
「あーまだ眠いっスよー」
涼太が欠伸しながら言った。
『どうせ朝方までテレビ見たりしてたんでしょ』
「まぁ、そうっスね」
2人で帝光中までの道を歩く。いつもと違って歩きにくい靴だから、ペースは遅い。校門に着くと、敦と征十郎が先に来ていた。
「あ、ライちん〜」
「あけましておめでとう。ライ、黄瀬」
2人がこちらに気づく。私たちも挨拶を返した。
想像はしていたが、やっぱり征十郎は和服が似合う。敦もよくサイズあったなって思うけど、よく似合ってる。
「ライちん可愛いねー。和服いいね」
敦が言った。頭に手を伸ばしたから、私はそれを制する。
『今日は髪乱れちゃうからだめ』
「ん〜そうだね」
敦は素直にやめてくれ、まいう棒をかじった。すると、テツの姿が見えた。テツの和服もなかなかだ。その後、真ちゃんも来て、再び思い知る。
これは男バスモテるよね、と。
ここで来てないのがまぁ2人。さつきと青峰なのだが、何となく予想は出来てる。ライの携帯が鳴る。さつきからの着信だ。
『もしも「ライー!あけましておめでとう!」
私のもしもしは完全にさつきによってかき消される。さつきの声は他の皆にもだだ漏れのようで、皆が笑う。
「ごめん!青峰君寝坊しちゃって」
「だいたい正月なのに朝早ぇんだよ」
さつきの後ろから小さく青峰の声が聞こえた。
「待ってるから早く来いって言ってくれ」
征十郎が言った。
『皆で待ってるから早くおいでよ』
「うん!!本当にごめんね!準備できたらすぐ行くから!」
さつきは嵐のような勢いで電話を切った。
「また寝坊とは…アイツは起きる気があるのか?」
真ちゃんが言った。