シリウスに手を伸ばして
□自覚
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「なんつーかわかんねぇけど、俺はアイツが抱えてるモンを少しでも共有して楽させてやりてぇし、ライが望むなら側にいてやりたい。つか俺も側にいてぇ」
「(よく恥ずかしげもなくこんなこと言えますね)」
俺は話し終えると、冷え切ったポテトに再びかじりついた。
「青峰君、その気持ち何て名前かわかります?」
「あ?知るかよ」
「…なら、なんで緑間君にイライラしたかわかります?(何でわかんないんですか)」
「…。何かライが緑間とあんな近くにいて、こう…抱き寄せられんのに拒否しねーのとかムカついた。まぁ俺がやっても拒否はされてねーけど」
「(やったのか)…それは俗に嫉妬と言われます」
テツはヒントを出したつもりのようだが、俺にはさっぱりだった。テツがため息をつく。
「後はやっぱり青峰君が気づくしかないんですよ」
「…俺が気づくしかない?」
首をひねると、テツははい、と答えた。
「多分青峰君、ライさん以外の多くは青峰君がその思いを抱いてることに気づいてると思います」
「…は!?」
「まるわかりですから」
テツがバニラシェイクを啜った。
「でも皆に聞いて得た答えじゃ意味ないと思うんです。これは青峰君が自分で見つけなきゃだめなんです」
俺はよくわからないが、そうか、と答えた。俺のポテトもなくなり、テツのバニラシェイクもなくなった。
「…テツ、バスケしに行かねぇか」
「はい。行きたいです」
今は体育館どころか学校が閉まっているので、体育館でバスケは出来なかった。だからマジバを出て、すぐにコートのある公園に向かった。
「あ、あれライさんと黄瀬君じゃないですか?」
「ん?」
公園に行くと、先客がいた。ライと黄瀬だ。
「あ!!黒子っちと青峰っちだ!」
黄瀬が気づき、俺たち2人に手を振った。テツが手を振り返す。ライと黄瀬は1on1をしていたようで、じんわり汗をかいていた。