シリウスに手を伸ばして
□自覚
1ページ/3ページ
※青峰目線になります
「テツ、相談なんだけどよ」
「…珍しいですね。青峰君から相談なんてされる日が来るとは思ってもみませんでした」
「俺もそうだっつーの」
只今、マジバーガーに俺とテツ2人でいる。呼び出したのは俺で、聞いて欲しいことがあった。相談事があり、誰に話そうと考えて一番話して俺に利益がありそうな奴を考えた結果、テツになったのだ。
相談事とは数日前の大掃除の日から続くムカムカというか苛立ちについてだ。寝りゃ治るかと思えば全然だった。
とまあ、そのままテツに相談すれば、バニラシェイクをすするのをやめて、呆れた目で見られた。
「そそそうですか(まさかまだ恋愛感情を自覚してないとは…)」
「何でテツが困惑してんだ」
「いや別にそんなつもりはないです(鈍いにもほどがありますよ)」
テツは、俺に少し考える時間を下さい、と言った。俺はテツがどう考えるのか答えが出るまで待つことにした。頼んだポテトを無心で食べ続ける。
5分後。
「まだか?」
「まだです」
10分後。
「まだなのか?」
「まーだまだです」
15分後。
「まだ「まだです」
20分後。
「遅ぇよテツ!」
「そう言われても…(てか青峰君が自覚するしかないと思うんですよ、やっぱり)」
「…テツはそんな風になったことねぇのか?」
「あまりないですね。じゃ、青峰君。もっと詳しくよくわからないままでいいからライさんをどう思うか話して下さい」
テツがそう言った。
ライは、よきライバルであり、いつも一緒にいるバスケの才能に恵まれた選手だと思う。あんな小さい体で自分より一回りどころか二回り以上もでかい俺達に、恐怖の色を全く見せずにつっこんでくる。そんで点を取って、ディフェンスだってうまい。本当、強い奴だと思う。精神的にも、バスケットプレイヤーとしても。でも、たまに見え隠れする弱い部分。誰もが持ってるはずのそこを、アイツは自分一人でいつも背負おうとする。