シリウスに手を伸ばして

□合宿二日目
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「練習は9時から11時半までだ。それまでに動けるようにしておくように」

征十郎が言った。動けるようにしておく、つまり9時にはアップも終えてなければいけない。あまり時間はなさそうだ。すぐに部屋に戻り歯を磨けば体育館に向かった。青峰は着替えてないから置いてきたけど。涼太は私が出た後すぐに後ろから走ってきた。

今日のメニューは何だろうね、そんな話をしながら体育館へ向かった。

体育館に着くと、まだ真ちゃんとテツしかいなかった。二人の近くに腰掛け、バッシュの紐を結んでストレッチ。

『今日の午後来る昭栄ってぶっちゃけどんな感じ?』

私が尋ねると、真ちゃんが眼鏡を上げながら答える。

「無冠の五将と呼ばれる奴がいるが、どうやら選抜でいないらしくてなよ。でも勝つことは大前提なのだよ」

『へー』

無冠の五将ねぇ。

『その無冠の五将は強いの?』

「紫原にはまぁ敵わないだろう」

真ちゃんはバッシュの紐を結び終えてストレッチを始めた。

『ふーん』

私はアキレス腱を伸ばしてストレッチを終えた。ボールケースからボールを出して、シューティングをする。しばらくうったらアップを始めよう。




9時になり、練習が始まった。今日は午前からディフェンス練習を取り入れた走り込みとなっていて、正直だいぶ辛い。皆朝の穏やかな様子はどこにもなく、表情は真剣だ。

11時。昨日と同様にオールコートの2on2。しかも今日は最初だけオフェンスにドリブルを使ってはいけないというハンデがつく。これがかなり辛い。

オフェンスがドリブルを使えないということはパスで運ばなきゃならない。それなのにボールマン以外に動けるオフェンスは一人しかいないのだ。それに対してディフェンスは2人。ダブルチームでつかれる前にパスをもらわなければ5秒ルールで相手ボールだ。相手が自分より格下な相手なら楽だ。しかし自分と同じかそれ以上の場合、かなり厳しい。しかもここで征十郎の言い出すことは本当、鬼畜としか言いようがない。

「レギュラーとそれ以外に分けてやるぞ」

レギュラー側にはスタメンの5人とテツ、そして私や他の数人の男子が呼ばれた。他は第二体育館での練習となる。
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