シリウスに手を伸ばして
□みんなでパーティー
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「適当に済ませようかなって思ってたんスけど…」
「ならお昼は私が作ってあげるわ。何人いるの?」
『8人。ごめん、じゃよろしく』
私と涼太はリビングを出て、私の部屋に戻った。
「そんじゃ、カンパ〜イっス!!!」
涼太が音頭をとる。
「最後にっスとかつけるな。気が抜ける」
真ちゃんが眼鏡を上げながら言った。
「…乾杯くらい普通にして下さい」
『…征十郎やって』
「ちょっとひどくないスか!?」
涼太を皆でいびり、無事始まったパーティ。紙コップに注がれたジュースを飲む。
「ライの部屋、シンプルだな」
私の隣の征十郎が言った。
『うん。あんまり飾ってるのは好きじゃないんだ』
本当に私の部屋はシンプルだと思う。机に本棚、箪笥。普通の家具の他にあるものと言えばバスケットボールと昔履いていたバッシュくらいだろうか。
「お、今月の月バスあんじゃん。貸せ、読む」
青峰が言った。
『貸して下さい、読ませて下さいでしょうが』
とかなんとか言いながら私は月バスを青峰に渡した。
『そういや誕生日おめでとう』
征十郎に言った。
「ああ。ありがとう」
征十郎が笑った。
しばらくワチャワチャやっていると、涼太が提案した。
「王様ゲームするっスよ!」
「『は?』」
真ちゃんと私の声が重なった。
「いいじゃないか。面白そうだ」
征十郎が言った。
「めんどくせぇ」
と青峰。
だが、反対がどんなにいたってもう意味はない。なんていったって、征十郎が涼太側についてしまったのだから。
「やるぞ。黄瀬、くじを作ってくれ」
征十郎の言葉に逆らうような人はここにはいなかった。提案してから約三分で準備が完了した王様ゲーム。
それぞれがくじが引く。
私の引いたくじにかかれていたのは…5の文字。
「王様は誰っスか?」
涼太が言った。
「私だったよ!!」
さつきが手を挙げた。さつきなら、きっと変な命令はしない。
「じゃあ…」
さつきが人差し指を口元に当てて、首を傾げ考えるようなポーズをする。