シリウスに手を伸ばして
□みんなでパーティー
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12月20日。皆で集まったのは、ライの家だった。
『…何で皆いるわけ?』
私は怒りを隠そうという意志すらなく、全てをあからさまに出して言った。何も知らされていない自分。はめられたことはすぐに理解できた。
「ライの家だけまだ黄瀬しか来たことなかったからな。皆で行ってみたいってなったんだ」
征十郎があたかも自分は正論だと言わんばかりに言ってきた。
『…おかしいと思ったんだ。明日パーティなのにさつきと涼太が詳細を決めてないなんてさ、』
私は観念したように言った。
『突っ返すわけにもいかないから上がりなよ。私の部屋まで案内するから』
皆怒っていた私に少し焦っていたようだが、私がこう言うと、皆目を輝かせた。
「ちなみに俺らをここまで招待したのは黄瀬ちんだからね〜?」
敦が言った。
『…涼太は下で待ってて。手伝わせるし制裁加えてやるから』
「は!?いや紫っちひどい!てかライ怖いっスよ!」
『キャンキャン吠えるな』
私は涼太以外の皆を二階の自分の部屋に連れて行った。
『多少お菓子くらいは持ってくるよ』
「やったー」
敦が喜ぶ。
『何か他にいる?』
「飲み物とかだいたいは買ってきたから大丈夫だよ!お菓子も結構あるしコップとか紙皿もあるし」
さつきが返した。
『了解』
私はそう返して、再びリビングのある一階へと向かった。
『…せめて何か一言くらいは言ってよね』
リビングで待っていた涼太にそう言った。何されるのかとビクビクしていたらしい涼太はその言葉にホッとして、はいっス、と返した。
「あら?涼太君おはよう」
私の母が涼太に言った。
「おはようっス」
涼太が返した。幼なじみの家と涼太んちはとっくの昔に敬語を使うような仲ではなくなっていた。
「お友達?珍しいわね?」
お母さんが言った。
『涼太が無断で連れてきたの。ちょっと騒がしいと思うけど』
「いいじゃない。何か後で作って持って行ってあげるわ」
「マジスか!?俺おばさんの料理大好きっス!」
「ありがとう。お昼はどうするの?」