シリウスに手を伸ばして
□おかいもの
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12月中旬のことだった。明日は珍しく土曜日で練習がない日だった。
その日は私と涼太は一緒にパーティーのプレゼントを買いに行こうと話をしていた今日のことだ。
「ライ、明日きーちゃんとプレゼント買いに行くんだよね?」
『あ、うん』
さつきが珍しく一緒に昼を食べにうちのクラスに来た時のことだった。
「私と青峰君もプレゼント買いに行こうと思ってたんだけど、もしよければ一緒に行かないかなー、と思ったの!!」
『いいんじゃない?涼太も別にそう言うだろうし』
「本当!?やったー!絶対ライ私服着てきてね?」
さつきが喜んで言った。
『そりゃ買い物だしね。私服で行くよ』
「実はライの私服見てみたかったの!!」
絶対可愛いもん、と言うさつき。私もまぁ見た目は恵まれてる方だと思うけど、さつきだってかなり可愛い。
『さつきの方可愛いんじゃない?てか絶対可愛いね』
「そ、そんなことないよ!」
さつきがはにかむのを見て、私はやっぱり確信する。絶対可愛い。
「待ち合わせ、駅でいいかな?」
さつきが言った。
『うん。10:00位でいい?』
「了解!じゃ青峰君にも言っておくね」
『なら、涼太には私が言っとくわ』
ちょうどご飯食べ終わったさつきは、まだ昼休みがあるが、次体育だからまたね!と去っていった。
…ちょっと待てよ。私の脳内がふと振り返り始めた。
明日、涼太とさつきと青峰と買い物。青峰と、買い物。
私は机に突っ伏した。
涼太に言われてから、私は少し青峰と話せなくなった。話してはいるが、何だか緊張して話せなくなってしまったのだ。
勘のいい人には気づかれてて、征十郎やテツには青峰と何かあったのか聞かれた。私は何とかごまかしはしたが、結局必要以上に青峰と一緒にいられなくなっていたのだ。どうしよう。ここで今から断るのも出来ないし…。
と、帰り道涼太に報告かつ相談してみた。
「どうしよう、って楽しむしかないじゃないっスか」
涼太が言った。
『楽しむ?』
「そうっスよ。青峰っちの私服見れるなーとか思わないんスか?」