シリウスに手を伸ばして
□もやもや
3ページ/6ページ
以前ここにいるテツ、涼太、私以外のメンバーでスイカ割りパーティーをやったらしい。私たちは当時彼らと面識がなかったため、参加していない。
イベント好きな涼太はウキウキしていたようだが、確かに征十郎の言うことにも一理ある。というか正論でしかない。
ここで、さつきがじゃあさ!と切り出した。
「クリスマスパーティーも兼ねて赤司君の誕生日パーティーもすれば?」
征十郎は予想外の言葉に驚いているようだ。
征十郎の誕生日は12月20日。たしかにその日に色々済ませてしまうのが楽かもしれない。
「そこまでしてパーティーする意味があるのか?」
真ちゃんが言った。
『別にやったっていいんじゃない?』
私が逆に真ちゃんに言うと、真ちゃんは拗ねたようにそっぽを向いた。
「つか赤司のだけ祝うなよ。俺のも祝え」
青峰が言った。
「お菓子あるならやるー」
「楽しそうですね。いいと思います」
やる側に意見は傾いた。青峰と真ちゃんがちょっとむつけてるのは気にしない。
「じゃやろうよ!」
さつきが言った。テツがはい、と返した。敦も頷き、涼太が喜んだ。
『真ちゃんもやろうよ。それとも何?青峰みたいに自分はお祝いされないの嫌とか?』
こう言えば、絶対真ちゃんはのってくる。
「誰があんな子供みたいな理由で嫌になるか。そう思われるのは心外なのだよ」
『じゃ来るよね?』
真ちゃんは渋々頷いた。
「青峰君も怒んないで来てよー?皆来るんだから!」
青峰はへいへい、と返した。
「悪いな、大輝」
征十郎が言った。青峰はいや、と言った。何だかんだって青峰は来ると思ってたけどね。
「じゃクリスマスも兼ねてるからプレゼントは一人一つ買ってきてね!」
さつきが言った。
冬合宿も結構楽しみだったが、もう一つ楽しみが増えた。
いつも通り皆と別れてからは涼太と二人で帰る。最近、本当に青峰のことばかり考えてしまう。
あの楽しそうにバスケする姿が瞼を閉じれば残像のように映し出されるのだ。青峰のバスケの仕方を私は美しいと思ったし、ただ羨ましいとも思った。