シリウスに手を伸ばして
□お勉強
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「すごーいライちん頭いーね」
敦が言う。
「全部うちのクラスの最高点をマークしてますね」
テツもそう続けた。
「だから俺と赤司の間にもう一人いたのか…」
と真ちゃん。
私は青峰みたいに日夜バスケのことしか頭にない馬鹿じゃない。同じくらいの技量でもそこを取り違えられるのは心外である。
続いて敦だった。敦もまぁよい点数だった。
そしてその次は…涼太。
「国語40点、数学24点、社会35点、理科38点、英語19点っス」
場の空気が凍り付いた。
「涼太」
征十郎の声が部室に響いた。
「お前は補習候補生その1だ」
涼太はうっ、とか言って視線を逸らした。そして次は真ちゃん。真ちゃんは一位の征十郎、二位の私に続いて三位のため補習の心配とは全く無縁だ。
そして最後が…青峰。
「あー多分…国語18、数学13、社会25、理科21、英語17」
「どうしたらそんな点数がとれるのだよ!!!」
真ちゃんの怒号が飛んだ。まぁ予想の範囲内だが、やっぱり青峰の勉強のできなさはひどい。
「よし。お前等の点数を聞いて何をしたかったのかというと、つまり補習候補生に30点以下をとらせないための勉強会を開こうと思ってな」
赤司の言葉に青峰と涼太はギクリといった顔をした。
「お前等逃げたらわかってるだろうな?」
二人は静かに頷いた。
「今日からテストまで後何日だと思ってる?黄瀬」
「えっと…一週間くらいスか?」
『馬鹿。部活なくなるのが一週間前でしょ』
私の言葉に涼太は苦笑いをして頷いた。
「三日だぞ。三日でお前等二人の病的な点数をせめて馬鹿な凡人程度にまでは上げてやる」
征十郎の言葉に二人は頷くしかできないようだ。
「今日からここで勉強すること。用事とかない奴は皆だ。俺もいるしライもいるし緑間もいる」
つまり誰にだって聞けるってことだ。
征十郎の言葉に助かりますね、とテツが言った。青峰は見るからに嫌な顔をしていたが、征十郎に逆らうような馬鹿なマネはしない。
「早速今日から始めるぞ」
征十郎の言葉が勉強会のスタートを知らせた。