シリウスに手を伸ばして
□のんびり2
3ページ/4ページ
「こっちの人数が少ないのはハンデにしてやるよ。俺の相棒、コケにしたのは高くつくぜ?」
青峰の言葉に茶髪は笑った。そして青峰がどんだけ調子こいてるか教えてやる、と言った。
「青峰君、僕も入りたいのですが、ダメですか?」
テツが言った。
『テツ、やめときなよ。怪我してるんだろ?』
私が言った。
「お前俺がなんでここにきたかわかるか?」
青峰が言った。
「桃井さんを迎えに来たんですよね」
「ちげーよ。お前のことだから赤司がだめっつっても、ぜってーバスケするだろ?そう思って来てみりゃあ、あんな奴らとゲームかよ」
「スミマセン」
テツが申し訳なさそうに謝った。
「今のスミマセンはどっちに対してだ?あいつ等とのゲームか?それとも怪我してんのに、バスケしようとしたことか?」
「前者って言ったら怒りますか?」
「いっぺん死ねって、殴るな」
「…じゃあ後者です」
「よし」
私は二人の会話を聞いて、よしじゃないだろ、と思ったが何も言わない。
私にはわからない二人の何かもあるだろうと思ったから。
「でもやっぱり、僕も出して下さい」
『テツ…青峰の話聞いてた?』
私はテツの肩に手をおいた。
『無理しないで。テツは帝光にいなきゃならない人なんだ。テツの心意気は認めるよ。だから』
私は笑った。
『テツの代わりに私が出る』
「はぁ!?」
テツの反論の前に青峰が言った。
「お前、相手は男だぞ?」
『今更何言ってんの?』
「お前だって女子なんだから退いてろ。相手は仮にもスポーツ推薦とってんだぞ」
『ふーん。でも全中で優勝したチームのエースから点を奪ったの、私なんですけど』
私の言い方に青峰はどうやらちょっとイラッとしたようだった。
「ライさん…」
『悪いね、テツ。でも私もあいつ等に仕返ししたいんだ』
さっきのね、と言えば、テツも諦めたようだった。
「わかりました。怪我だけはしないで下さい」
『了解』
テツが拳を出した。青峰がそれに拳をあわせた。
「ライさんも」
テツが笑顔で言った。私はそんなテツの拳と自分の拳を青峰と同様にあわせた。