シリウスに手を伸ばして
□のんびり2
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「ならだいたいお前はどうなのだよ」
真ちゃんが聞いた。
『私?私も好きな人はいないなー。告白されたことある止まりだよ』
「つきあったりとかもねーの?」
青峰が言った。
『うん。やっぱりバスケのことしか考えてなかったからね』
「俺のこと言えねーだろ」
そんな話をしていたらやっと涼太がやってきた。
「すんませんっス!」
「「『遅い(ぇ)』」」
三人で涼太に文句を言えば、涼太はしょげる。全く仕方がない幼なじみだ。
四人でテツんちの方に向かっていた。そして私の視界の隅に見覚えのある姿がうつる。
『…あれ、さつきとテツじゃない?』
他の三人もそっちの方に目をやればやはりそのようだ。ただ問題がある。
『あいつら…さっきの』
バスケットコートのある公園に二人を見つけたのだが、そこには先ほどゲーセンで絡んできた奴らがいた。しかも今度は二人じゃない。五人もいる。その上テツたちとその高校生が話をしている。どこからどうみてもあまりよい雰囲気ではない。
「多分テツが高校生に注意したんだろ」
そこにいたのはテツとさつきだけではなかった。帝光中の制服を着た男子がいたのだ。恐らく絡まれていた男子をテツが助けたのだろう。
『…助けに行こうか』
「おう」
「だな」
「もちろんっス!」
四人はその公園に入った。四人が入ったとき、コートの真ん中にさつきとテツと男子三人と高校生五人が並んでいた。3対5ってか。気分が悪いね、全く。
「さて、誰がジャンプボールする?身長的にかわいこちゃんがやる感じ?」
茶髪の言葉と同時に、私たち四人はコートに入った。
「バーカ、さつきがやるかよ」
青峰が言った。
「青峰君!」
さつきが驚きと嬉しさが混じった声で言う。
「お前は…!!」
ロン毛が叫んだが、青峰がニヤリと笑って言った。
「随分面白そうなことしてんじゃねーか。俺たちも混ぜろよ。ただ、オレとこっちの片耳ピアスと陰険メガネの三人にメンバーチェンジだ」
「誰が陰険メガネなのだよ」
「青峰っち俺たちのことそういう風に見てたんスね…」
真ちゃんと涼太も続いた。