シリウスに手を伸ばして
□のんびり
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結局、テツもさつきのノートをコピーしたいと言い出したため、さつきが折れた。ちなみにテツは授業を休んでしまったからというしっかりとした理由である。
コンビニに向かいながら、さつきは真ちゃんにノートの取り方の質問責めにあっている。
私は青峰と涼太と話していた。こっちでは青峰が涼太のバスケに関する質問責めにあっていた。
「柔軟とか、いつも家でどれくらいやってんスか?」
「適当」
『もっとしっかりしなよ』
涼太は青峰の雑な答えにキャンキャン吠える。青峰はつまらなさそうに言った。
「おまえモデルなんだから、そっち関係でおもしろい話とか、ないのかよ」
そうふられれば、涼太は何か一人で語り出すけど、青峰には無縁な話でありまして。
メイクの話をし始めた涼太に青峰は見向きもせずテツにおもしろい話ない?と聞いていた。
それにまた涼太はキャンキャン吠えて、うるさいことこの上ない。
結局話は敦も加わって、まいう棒の新作のことを話す。
『「ラー油トマト味!?」』
私と青峰が同時に叫んだ。
「普通にどっちかにしろよ」
「この間たまたまゲーセンで見かけたんです」
テツが言った。
「黒子っちゲーセンとか行くんスか!?」
「わりと好きなんです。クレーンゲームとか得意です」
『本当?なら私今度とってもらおー』
そう言ったら、テツは喜んで、と笑った。
ようやくコンビニに着き、青峰とさつきと、さつきのノートに興味を持ったらしい真ちゃんはノートをコピーしに、テツと敦はまいう棒の新作を探しにコンビニに入った。私と涼太はコンビニの外で皆を待つ。
すると、コピー組が三分もせず帰ってきた。どうやらコンビニのコピー機が使えないらしい。帝光中の生徒が他にもノートをコピーしにたくさん訪れたようだった。
そのすぐ後にテツと敦も出てきて、ラー油トマト味のまいう棒が置いていなかったことを報告してきた。
「すげー残念…」
敦はそう言いながらコンビニで買ったポテチトップスをあけた。
『どうすんの?』
「仕方ねぇ、他のコンビニを探すか」
「だが、ここから徒歩圏内のコンビニなら同様なことが起きていそうなのだよ」
敦が、無駄足はやだな〜と言った。
「ならもう解散しましょ。テツ君は寄り道しちゃ、ダメなんだから」
しかしここでテツが名案を出す。
「僕がよく行くゲーセンにコピー機も置いてあるんです。穴場なんで生徒は誰も知らないと思います。ちなみにまいう棒の新作を見つけたのもそこです」
「じゃあ、そこに行くか」
さつきはダメだと叫んだ。
が…。