シリウスに手を伸ばして

□以前の5人目
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秋も更けてきたこの頃。新人戦が近づいていた。まずは都大会。でも帝光中はそこで勝つのが目標じゃない。まぁ新人戦は全中も関東大会もないからそこどまりなのだが。

私はディフェンスの間をぬき、点を取った。今日は女バスの練習の日。例えダブルチームで来られようが私には特に支障はないことだった。

ディフェンスもオフェンスの気が抜けた瞬間を見計らって、がんがんカットする。

男バスの練習に参加するようになり青峰に負けたことから、私は今まで以上に練習に真剣に取り組むようになった。
昔も別にサボったり手抜きをしていたつもりはなかったが、相手に合わせるようにはしていた。試合だって相手に合わせるから。
でもこの前の疲労により体が動かなくなった件で、私は全力を出せるよう努力をし続けていた。何故ならこの前のあれの原因は、私のこの習慣からきたものとも言えるものだったからだ。

さつきの話によると、あのような状態になることは極めて珍しいらしい。しばらく使っていなかった筋肉を急にかなりの運動量で使ったりしない限りならない、と。

だから私は常にベストを出せる身体を作ることを今は目標として練習している。

「ライ!」

スタメンの仲間からパスが来た。私はディフェンスが退いているのを確認して、3Pを撃った。そのシュートはもちろんリングをくぐる。そして同時にブザーが鳴る。

最終スコアは30−2。Bチームとやってもこの差だ。昔はここまでの差はなかったように思う。

タオルで汗を吸い取る。そして監督の話を聞いて、片付けになった。今日の練習はこれで上がりだ。

私はマネージャーからドリンクを受け取り、一口含んで礼を言いドリンクを返した。


練習が終わり、皆と話しながら部室で着替えを終えたら私は男バスの体育館に向かった。
私が男バスの練習に参加していることに一応皆は納得しているようだった。多少嫉妬などはかってしまうだろうが、それは予想の範囲内だ。
男バスの体育館に向かうのは、練習に顔出しながら涼太を迎えに行くためだ。いつも早く終わった方が遅い方を迎えに行く。最近はいつものメンバーと一緒に帰るので基本的に私が男バスの体育館に向かう回数が増えているが。
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