シリウスに手を伸ばして
□なかよくなる
1ページ/7ページ
練習が終わり、皆で移動する。
「あ、はじめまして!マネージャーの桃井さつきです!さつきって呼んでね」
皆と一緒にいた女の子が挨拶してくれた。てか、すっごい可愛い。
『私は藍澤ライ。本当は女バスなんだけと…』
と言ったらさつきが笑った。
「知ってるよ。何度かプレーも見てるし、有名だし」
私もライって呼んでいいかな?そう尋ねてきたさつきに私は頷くしか出来なかった。
「ライ、どうだった?男バスの練習は?」
赤司が言った。
『あー、楽しかった!』
私はそう答えた。偽りはない。赤司はそうか、と笑った。
「俺も楽しかった」
そう言う赤司に私も笑い返すと、後ろからストォォーッップ!と聞きなれた幼なじみの声が聞こえた。
「何二人の世界に入ってるんっスか!?」
『涼太うるさい』
耳元でキャンキャン騒ぐ涼太に言い放つ。涼太がえ〜!!と言った。
「俺とライの邪魔をしないでくれないか」
赤司が言った。
『赤司、それはちょっと語弊がある。そんな気はない』
私がそう言うと、キャンキャン騒ぐ涼太を無視して、赤司は笑う。
「そうか?俺はそう勘違いされてもいいと思ってるけど?」
『なっ…』
この人は爽やかな笑顔でなんてことを言うんだろうと思った。恥ずかしくて顔が赤くなってるのが自分でもわかる。
「嘘じゃない。でもそんなに照れるとは思わなかった」
赤司が笑っている。基本私は人に翻弄されるのは大嫌いだ。でも、赤司にはこの出来事で一気に勝てる気がしなくなった。
「ライさん」
後ろから声をかけられ、驚いて振り返った。
『わっ、はい?』
私を呼んだのは黒子君。
「ずっと気になってたんですけど、何で僕だけ君づけなんですか?」
私は特に意味はないと思った。
『唯一涼太に紹介される前から知っててそう呼んでたから…かな?』
私がそう答えると、普通の顔のまんまで黒子君が言った。
「じゃ僕のことも呼び捨てにしましょう。てか名前でいいです」