シリウスに手を伸ばして
□なかよくなる
3ページ/7ページ
『だいたいラッキーアイテム毎日持ってるとか面白すぎでしょ』
「俺は人事を尽くしているだけなのだよ」
『口癖がなのだよなのも超面白いけど』
私と真ちゃんの会話を聞いていた涼太がついに口出してきた。
「ライ、緑間っちはそういう人なんっスよ」
「いちいち笑ってたらキリねぇぞ」
青峰が言った。それでも私は笑いが止まらなかった。
「ライは予想以上に笑うんだな」
征十郎が言った。
「そうっスよ?結構笑う子っス。でも久しぶりにこんな楽しそうなライは見たっスね」
涼太が言う。
『そう?でも今日はかなり楽しくバスケしたしね』
機嫌はいいよ、と私は言った。
口の中でアイスが溶ける。
きっとここにいる皆はいい人なんだろうと思う。初めての私もこうやって歓迎してくれて。何だか初めてな気はしないんだ。
コンビニからそれぞれが帰る。方向が一緒の人は一緒に。私はもちろん涼太と一緒だ。
「だいぶ楽しそうだったじゃないっスか」
涼太が言った。
『うん。涼太はわかってるでしょ?』
私が楽しい理由を涼太はわかってる。全力のバスケが出来る喜び。久しぶりの感覚にまだ血は騒ぐ。
『涼太この後なんか用事ある?』
「いや、何もないっスけど?」
『1on1しに行ってもいい?』
私がそう涼太に聞けば、涼太はモデルらしい整った笑顔で答えた。
「もちろんっスよ」
二人は寄り道しに近くのバスケットゴールがある公園を目指した。
そして辿り着けば、そこには先客がいた。
「『青峰(っち)!?』」
そこには先ほど別れを告げたはずの青峰とさつきがいた。
「ライだー♪」
さつきが私に抱きついた。
「何だ、黄瀬とライじゃねぇか」
青峰が言った。あれほどの練習量をこなしても、彼のシュートは相変わらず落ちそうにない。その得点力はまだ知り合って日も浅いが、尊敬に値する。
まぁ私と涼太も疲れてるくせに1on1しにきちゃう辺り似たもの同士なのかもしれないけど。