平和と家
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「なっ、名前!?」
スクアーロの動きも止まった。
『…何で脱いでんの』
名前は目を背け、顔を真っ赤にしたまま言った。照れてるのが丸わかりである。スクアーロがわかるほどに。
「何でそんな顔赤くしてんだぁ?」
スクアーロが反撃開始である。その格好のまま名前に近づいた。
『ちょっ、こ、来ないで!』
名前は近づいてくるスクアーロから逃げようと、ドアノブを握った。だが、そう簡単にスクアーロが名前を逃がすはずがない。すぐにその手の上にはスクアーロの大きな手が名前の手を包み込み、ドアを閉めた。名前は断固として、スクアーロを見ようとはしない。スクアーロは名前の真っ赤に染まった頬にふれた。
「何でこっち見ねぇんだぁ」
スクアーロは名前の顎をつかんで、名前の顔を自分に向けさせた。
『何で着てないの…』
「風呂上がりだからなぁ」
スクアーロはニヤリと笑った。
『せっかく人が心配して来てあげたのに…』
名前はものすごく照れてる。
「だいたい男の上半身位体育とかで見るだろうがぁ」
スクアーロが言う。でも、そうじゃない。
(あなたの上半身はその辺の一般男子高生よりもずっと綺麗なんですよ)
名前は直視するしかない、スクアーロの上半身にどんどん体中の体温が急上昇するのがわかった。細いのに男らしく無駄のない体。締まった腹筋に、胸筋。骨ばった鎖骨や首筋、力強い肩。もう全てが美しさを引き立てる。
『わかってないよ、スクアーロ』
名前は顔を真っ赤にしたままため息をついた。もう照れすぎて涙出てきた。
名前の目が潤んできた。そんなに俺の体見れねぇか。だいたい紅潮した頬に潤んだ瞳、近い距離に、上半身裸の俺。理性が保って欲しい。色々とヤバすぎる。でも名前は気づいていない。自分が今どれほど俺のことを惹きつけて、俺の物にしたいという欲をかき立てているのかを。