平和と家
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『あ、私は名前です。よろしくね、フラン』
「名前先輩ですねー。ミーの方こそよろしくですー」
フランはペコリと頭を下げた。
「フラン、お前にプレゼントだぜ」
ベルはフランに蛙を渡した。
「…やっぱりこれ被るんですかー?」
「当ったり前じゃん。それとったらサボテンな」
「とらなくてもナイフ投げてくるじゃないですかー」
(何かかなり仲良さそう)
新幹部なのにこの馴染みの早さに疑問を持つ名前にルッスーリアはミルフィオーレ戦のことを教えてくれた。名前もそれで納得。
しばらく皆と一緒に話した後名前は自室に戻った。ベッドに横になりまたボックスを開けた。セラフィムが出て来る。
『セラフィムは今日どうだった?』
セラフィムは声を出すことはなかったがにこりと微笑んだ。
『こんなちょっとおかしな人ばかりだけど母さんが言った通り優しい人ばかりなんだ』
名前はセラフィムを右手にのせた。セラフィムはまだ笑ってる。
『…疲れたから今日はもうお風呂入って寝ちゃおうか』
名前はベッドから上体を起こして風呂に向かった。
次の日、雲雀が来た。
「どうだい、そいつとは打ち解けたの」
雲雀は無愛想に言う。
『打ち解けたっていうか、まぁ…話したりしたよ』
「いいね。そいつも君の武器になる。大切にしてやりなよ」
雲雀はそう言った。そしてその日は雲の炎を使った修行だった。午前中は銃弾を増やすことで雲雀から合格点をもらった。午後は新しいことに挑戦。それはセラフィムの攻撃を見つけることだった。雲雀にロールの球針態とか見せてもらったりして色々と刺激を受けた。一つ目は雲雀にサポートしてもらって出来た。セラフィムの羽が幾十枚にも増え、ベルのナイフのように攻撃できるものだった。二つ目は今も作ってる途中の攻撃。セラフィムがラッパで音を奏でるとその超音波でバランス感覚を崩すものだ。名前はその音になれていかなければならなかったのですごい苦労をしていた。もちろん立てなくなっている。崩れるときは必ず雲雀に支えられてしまう。