シリウスに手を伸ばして

□嫉妬と苦悩
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それから一年後やっとの思いでベストメンバーにはなった。でもそれじゃ足りない。

私の方が早く始めた。
私の方が上手かった。
私の方がバスケを愛していた。
私の方が長くコーチや上級生といた。

そのはずなのに。

「ライナイシュー!」

「ナイスイン!」

「やっぱり最年少エースはすごいな」

皆の関心は私に寄せられない。
バスケの神様は私よりライを選んだ。
私よりダントツで早い技術の習得。
恵まれた身体能力。

気づけば昔よりずっとずっとライとの距離はあいてしまっていた。

手を伸ばしても届かない。

それはミニバスを卒団するその日まで覆ることはなかった事実だった。











右サイドによってトップスピードからのフェイダウェイ。私はライのそれを止める。

『くっそ…』

ライの声。今ついにあの時から抱いた劣等感を、嫉妬心を、克服しようとしている。

もう絶対負けたくないんだ。
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