シリウスに手を伸ばして

□なかよくなる
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『青峰もいるなら三人でまわせばいいか』

もちろん青峰にも1on1はやってもらう。拒否権なんてやるつもりもない。

「青峰っちー!1on1するっスー!!!」

青峰は快く入ってきた。最初は私と涼太がやることにした。涼太がオフェンスで私がディフェンス。

「さすがにそろそろライには勝ちたいっス」

涼太が言った。

『身長のハンデはあっても私は負ける気はないよ』

涼太がドリブルをつく。そしてドリブルのリズムを変えながら、ドライブしてきた。が。

「あれ?」

もう涼太の手にはボールがない。私の手中にボールはある。

『フェイクの使い方はうまいけど目がダメなんだよ。まだ目でボールを追ってるからディフェンスが次はどっちに来るって予測できちゃうの』

私はレッグスルーをして青峰の方にパスした。

次は青峰がオフェンスして涼太がディフェンス。私はさつきの隣に腰掛けた。

『青峰に付き合って着いてきてあげてるんだ?』

「そうなの。でもこんなのずっと昔からだよ」

さつきは笑って言った。そういえば、この二人は幼なじみだしね。

涼太と青峰の方は、青峰がシュートを決めて涼太の負け。私は青峰からボールを受けとった。次は私がオフェンスで青峰がディフェンス。

「今日は負けねぇ」

青峰が言った。

『私だって負けたくないね』

私がドリブルをつき始める。
いいディフェンスだ。そう簡単に隙は作らない。私は口角を上げた。こんな相手が…ずっと欲しかった。

私はそのまま右を抜こうとした。もちろん青峰もやらせまいと反応する。私はそのままロールしてバックチェンジ。青峰の足がちょっともたついたところを狙いに、ドライブインした。
このままレイアップが決まれば勝ち。が、その時。

「まだ負けねぇよ!!」

私のレイアップは青峰にブロックされた。ボールはコートの端に転がっていった。

私は今1on1でとめられた。点を取れなかった。実質1on1としては、オフェンスの負けだ。

…負けた。

『…負けた?』

この私が。1on1で?
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