黒子short
□どうでもいいこと
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ライは母から自分の名が呼ばれたのに気づいた。
『何ー?』
「大輝君来てるわよー」
『青峰?』
イヤホンをとって、玄関に向かえば確かにそこにいるのは青峰。
『どうしたの?』
ライが尋ねると、青峰は靴を脱いで入ってきた。
「部屋行くぞ」
青峰が鞄を背負い、私の腕を引く。
ここ私の家なんですけど、そんな心は見事に無視されてその力に大人しく着いていくことにした。
私の部屋に着けば、青峰は昔と変わらず私のベッドに寝転がり占領する。
「…お前さ、今日赤司に何か言われた?」
開口一番そんなことを言われて、ライは首を傾げた。
『何かって何よ?』
「あ゛ー…。なんかアイツらしくないこと」
青峰の問いの意味がわからない。
『…別にないけど?』
そう答えれば、青峰はふと安心したような面もちになった。
「へー」
へーって自分から聞いといて…、とか思うが、これが昔からの青峰。今言ったところで意味がないのはわかってる。
俺はまだ心の内で決めかねていた。想いを伝えるかどうかを。
赤司に告られてないのは本当らしいから。
ただ、脳内に先ほどの赤司がフラッシュバックする。
「幼なじみの枠内で満足しているようなら、俺がライをもらうからな」
拳を強く握りしめた。
「ライ」
名前を呼んだ。
『何?』
「お前さー、好きな奴いんの?」
俺がそう言うと、ライからの返事がない。何だ?と思ってライに目をやると、顔を真っ赤にして口をぱくぱくさせている。
「…いるんだな」
この様子を見てわからないわけがない。ただ、問題は誰なのか、だ。まぁ俺じゃなくても奪っちまえばいいんだけど。
「誰?赤司?」
俺が尋ねれば、真っ赤になったライが優しくパンチしてきた。もともと男と女だし、アイツも本気じゃないので、その拳を受け止める。
「…図星?」
俺が尋ねたら、ライは俺の顔を睨みつけた。