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□冷たい手
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「うぅ…さぶい…」





「ほら、先輩もっとくっついてください。
寒いですよ」




「…ぅうー…お前俺の前歩きなさいよ。
俺の風除けになれ」





「えぇー、寒いから嫌です。
何より先輩の顔が見えない!!」






「はぁ?いいから前に来いっての(グイッ」






「あぁ…まったく…わがままですねぇ
先輩は…」







「…いいじゃない。
こんなことテンゾウにしか頼まないよ」








「…僕だけ…ですか…。
いい響きですね(ニヤ」




「フンッ…はぁー、テンゾー!!
ほら、息真っ白だよ!!」






「おっ、じゃあ僕もはぁー(ブワッ」






「あははっ!!ほんと寒いんだねえ」








「みたいですねぇ…」







「…テンゾー、手」







「え?いいんですか?外で…」








「あぁ、誰もいないし…寒いから、ほら」






「はいはい(ギュッ」









「ん…あったか…」








「わぁー…先輩の手は冷たいですよ。
手袋でもしたらどうですか?」








「やだよ…」








「どうしてですか?
先輩手袋嫌いでしたっけ?」







「いや…そうじゃなくて…」








「じゃなんで?」





「…えっと……その……手が冷たくても……テンゾウが……あっためてくれる…から…いいかなーなんて……」





「…………」




「…なん…だよ……」







「もー先輩ったらぁ、
素直に僕と手が繋ぎたいからって言えばいいんですよぉ?(ニヤニヤ」







「うるさい!!ほらっ帰るよ!!(グイッ」








「あっ!!ちょっと先輩!!
せっかく外で手繋いでるんだからゆっくり帰りましょうよぉ」










「バカッ!!早く家に帰るの!!」








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