キラキラ2

□決心
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主4が部屋で泣いていると、部屋の戸がカタリと動いた。
思わず主1かと思った主4だが聞こえてきた声に目を丸くした。


「最近相談しに来ないと思ったらこんなとこで一人で泣いてたんだね」


部屋に入ってきたのは山崎だった。主4はますます膝を抱える手に力を込め、小さく縮こまる。

何故だか今一番山崎と会うのが、山崎の顔を見ることが、心が締め付けられるような感じがして辛かった。


「どうしたの?」


山崎は主4の隣に腰を下ろし、優しい声音で問いかける。
だが主4はその問いかけを拒否するように小さく首を横に振った。


「どうもしない…っ。悪いのは全部主4で、全部主4のわがままがしでかしたことだって、分かってるもん…っ」


主4は嗚咽まじりの声でそう話す。


「それでも、分かってても、どうしたらいいか、分からないんだもん…!!」


泣きながら話す主4に、山崎は「俺はさ、」と返す。


「俺は主4ちゃんの好きにしたらいいと思うよ」


山崎のセリフに主4は涙でいっぱいの目を丸くして、やっと顔を上げた。
その顔がおかしかったのか山崎はクスリと笑った後、言葉を続ける。


「主4ちゃんが自分で選んだ道で、主4ちゃんがそこで笑っているなら、俺はそれで構わないって思うんだ」

「…っ!山崎は、知ってるの…?」


自分が高杉に想いを寄せていて、そこへ通っていることを。それを主4は遠回しに聞くが、山崎は「いや、」とクビを横に振った。


「何も知らないよ。ただ俺は思うことを言っただけ」

「じゃあ、もし主4が、山崎と敵同士になったとしても?それでも構わないって思える?」

「主4ちゃんが幸せならね」


山崎はニコリと微笑む。それはお世辞でもただの薄っぺらななぐさめでもない、心から山崎の想いだった。

それだけ言うと山崎はスッと立ち上がった。


「じゃ、こんな遅くにいつまでも野郎が女の子の部屋に居るのはまずいだろうから俺は部屋に戻るね」


だが立ち上がった山崎のポケットから何かが滑り落ちる。


「?あれ、これ、主4の写真」


山崎から落ちたのは警察手帳であったのだが、落ちた拍子に開いたその中身には主4の写真が挟まっていた。


「あ!それは!あの!主2ちゃんが何かずっと前に撮った写真を主4ちゃんをくり抜いた部分だけを俺にくれて…!!す、捨てるのもあれだし、せっかくだから手帳に挟んでおこうかな〜って!あ、あはは!」


別に山崎が自分の写真を持っていたことについては気にしていないのか、山崎の弁解を主4は聞いておらず、ただ写真をジッと見つめていた。
そしてプッと噴き出す。


「この主4、馬鹿みたいに笑顔だね」

「!…そうだね。やっぱり主4ちゃんには笑顔がいいよ」


写真の主4は楽しそう笑っていた。きっとこの表情はココでしかできないものだ。
そう思うと、主4の中で何か決心のようなものが生まれた。


「ありがとう!山崎!主4、決めたよ」

「そっか。じゃ、今度こそ俺は行くね」

「うん、おやすみ」


山崎が部屋から立ち去っていく。

そして少しして入れ違いで主1がやってきた。


「主1、主4決めたよ。だから最後にもう一度だけ着いてきてもらってもいい?」


主4の問いかけに主1は相変わらずにニヒッと笑う。


「いいよ。うざいくらい構うのが私の長所だもんね」

「ありがとう」









決心


(もう迷わない)
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