キラキラ2

□さよなら過去
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それからまた過去での数日が経っていき、運命とでもいうように土方とミツバの仲は端から見ても分かるほど深まっていった。
また、それに比例するように沖田が土方に突っかかることも日に日に増えていっていた。

そんなある日、皆で蕎麦を食べに行った時のこと。


「あーあーあ!ちょっとおおミツバ殿おお!?」


近藤が隣に座っているミツバにつっこむ。それもそのはず、ミツバは自分の蕎麦に大量の唐辛子をかけていた。


「ダメだってそんなに唐辛子かけたら!何回言ったらわかるの、身体に障るって…」

「だって…おいしいんだもの」

「だものじゃないよ!真っ赤だものお!まったく、近頃の若者は味覚がおかしい!なぁ、トシ…」


そう言って近藤が土方に同意を求める。
だが土方は蕎麦に大量のマヨネーズをかけていた。


「何やってんの!?何それ!?何食ってんの!?」


近藤がドン引きしている中、土方はそのマヨネーズだらけになった蕎麦をズルルルとすすった。


「味のIT革命や」

「何言ってんの誰それ!?誰のモノマネ!?」


それを見たミツバもズルルルと唐辛子だらけの蕎麦をすする。


「ちょっとおお!ミツバ殿も食べたらダメだって!」

「口の中が郵政民営化や」

「ミツバ殿までええ!意味わかんねーから!つーか本当誰なのそれ!」

「口の中が…ドッドッドッド!…快感」

「古りーから!トシそれ古いよ!目も当てられねーよ!」


近藤が土方につっこむ隣で、ミツバは楽しそうにクスクスと笑う。沖田はそれをジトーっと睨んでいた。

一方、主1達四人は席の関係で近藤達の座るカウンターではなく、座敷に四人で座って蕎麦をすすっていた。


「ミツバさんの唐辛子はまぁ置いといて、土方さんはよくあんな汚物が食べれるよね」


そう言って主1は生クリームだらけの蕎麦をズルルルとすする。


「あんたのも十分汚物よ」

「おいしいもん」

「それにしても最近ミツバさん楽しそうだよねぇ」


主3が近藤達のやりとりを見ながらしみじみと言う。


「そうね…」


主2はミツバと土方の背中を見ながらそう切なげに呟いた。
そんな主2の様子に周りの三人は空気を読んで黙る。…かと思いきや、主1が「あ、そうそう」と口にした。


「主1はちょっと黙ってその犬の餌食べてなって」

「主4ちゃんひどい!!それより今日の夕方、もとの時間に戻れるって!」

「「はああああ!??」」


声を合わせて驚く主1を除いた三人。
主1の話を聞くとこによると、どうやら昨日、源外から伝書鳩がとどいたらしく…


「いやいや、何で伝書鳩!?」

「細かいことは気にしなーい」


その伝書鳩によると今日の夕方、自然ともとの時間に戻れるとのことらしい。


「夕方ってもう二時間もないじゃん!」

「主3ちゃん達、どうかしたか?」


騒ぎに心配した近藤がこちらへと顔を向けた。
四人は「何でもないデース」と咄嗟に引きつった笑顔をつくる。


「ならいいんだが。そろそろ店を出るぞー」

「「は、はーい!」」
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