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「…知ってたって……?」
何が起きたのか
何を言われたのか理解できなかった
そんなあたしを押し倒して拘束したまま、楽しそうにレン様が言った。
「だから、リンが隣国の王族に雇われたスパイだっていうんだろ?そんなの初めから知ってたってば」
いきなりレン様の口調が変わり、
その途端、普段の溢れんばかりの国王としての威厳は陰をひそめる。
「…え…?」
「それと…明日、隣国がこの国に攻め込んでくるってことも知ってる」
嘘だ…
そんな…
そんなこと………
予想だにしていなかった事態に、
考えることを拒否しようとする頭から、必死に言葉を絞り出す。
「…どういうこと?知ってるって…どうして…!?」
「リンは俺をただのバカだと思ってた訳?」
にやにや笑いながら話すレン様は
まるで普通の…ただの十四歳の男の子みたいだった。
「傷つくなー。俺、実はリンが思ってる程、バカでも鈍感でもないよ?」
「……!!???」
「全部全部知ってて、リンのスパイごっこに付き合ってあげてたに決まってんじゃん」
そう言ってレン様……いや、レンは、本当に楽しそうに笑った。
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