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□淑やかなる殺意
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※学パロ。
俺が二年に進級したときに新しく入って来たコーハイ。
エメラルド色の髪と瞳をした、カエルみたいな奴。
しかも毒舌でポーカーフェイスだから何を考えているかも分からない可愛くないコーハイ。
だけどどっかでイカれたらしい俺の脳はそんな後輩をスキになってしまったらしい。気づいたらいつも視線で追っていたり、誰かと喋る後輩に死ぬほど苛々してしまうくらいに夢中になってしまった。
だから、今も腸が煮えくり返りそうなくらい、ムカツク。
昼休みになっても中々生徒会室に来ないカエルをスクと教室まで迎えに行った。
カエルの教室を覗くと窓際の席で俺の知らない奴と楽しそうに話すカエルがいて。
それを見た瞬間にそいつと殺したい衝動に駆られた。
勿論スクに止められたけど。
苛立つ心をそのままにカエルをそいつから引き離して生徒会室までカエルを引きずった。
スクが後ろで怒鳴ってたけど無視した。
生徒会室に着くなり、ソファーに座って
膝の上にカエルを乗せた。
俺がカエルを見つけて生徒会に無理矢理
入れたときからしているので慣れたらしいカエルは机の上に広げられているフランス料理に夢中だ。
「ベルセンパーイ。これほんとに食べていいんですかー?」
目の前の料理を指差しながら言うカエルは嬉しそうに瞳を輝かせている。
料理を小皿に分けて「ん。」と差し出せばその瞳を一層輝かせた。
「美味しいですー。」
「王子が作ったんだから当たり前じゃん。 」
「今だけベル先輩が天才だってこと認めて やりますー。あー…シアワセ。」
「ししっ。いつも認めろよ。
デザートもあるけど食うだろ?」
柔らかいエメラルドの髪を撫でながらそう言うとカエルはコクコクと頷いた。カエルの機嫌が良くなったと判断した俺は本題に入る事にした。
もぐもぐとフランス料理を堪能している
カエルを膝から降ろしてデザートの準備
をしながら尋ねる。
「そういえばさ、さっきの奴誰?」
「さっきのってー?」
「ほら、俺とスクが教室に行ったとき話してたやついたじゃん。」
「あー、三木君のことですねー。」
次の料理に手をつけながら言うカエル。
ふーん…三木、ね。
忘れないように名前を心の中で復唱し、紅茶をカエルの前に出す。
「仲いいの?」と尋ねるとカエルは「そこまでじゃないですけどー。」と何だか嬉しそうに言った。料理が嬉しいのか、それともその三木とかいう奴と親しくなりつつあることが嬉しいのかは分からない。
一つ分かるのは、そいつが邪魔だってコト。
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