お前は、俺を狂わせたと思ってる?
それを罪だと、償うべき罪だと思っている?
だから俺を抱くのか?
なぁ、ミゲル…教えてやるよ
「ねぇ、センパイ俺の事…」
やっと帰ってきたと思えば、淀んだ瞳で俺を見る。
不安そうな口調で俺を押さえつけながら問いかけてくる。
どうした?なにかあったのか?仕事で辛いことでもあったのか?
色々疑問はあるが、お前の欲しい言葉は俺の問いかけじゃなくて―――
「愛してる、ミゲル」
安心したような声で俺を呼ぶ。
「…センパイ」
それからお前を求める。
それがお前が望んだ形。
「愛してる、愛してる、愛してるから…―――」
早く欲しいと強請る。
お前が出かけてる間に、俺がどんな気持ちかわかってる?
お前に触れてないと気が狂いそうなんだよ。
今がいつなのか、お前に閉じ込められてどれくらいの時間が経っているのか。
そんなこと俺に知るすべはない。
「・・・っセンパイ、」
ふいに零れた言葉が嬉しくて、俺の中で感じてるミゲルを可愛いと思う。
ミゲルに躰を揺らされるたび、鎖が音を立てる。
鎖はベットの端に括り付けられているものの、肝心の手首の部分はベルトなのだから可笑しい。
初めて繋がれた時は、こいつ、本当に俺を閉じ込める気なのか?と不安になった。
肝心なところが抜けているのはミゲルの性格か。
毎晩…ではないが、ミゲルは俺を求める。
それは性行為で俺の存在を確認しているようだ。
そんな時に俺は、いつでも外せる手首のベルトを見やる。なんだか切なくなった。
ミゲル、もっと用意周到に完璧に俺を閉じ込めないと。
俺が寂しくて死んでしまう。
だからお前の名前を何度も呼ぶ。俺の声を聞かせる。
誰を抱いても、誰がお前の名を呼んでも、俺がお前の脳裏に甦るように。