猫と王冠

□春咲センチメンタル
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君がいない1番最初の夜は、涙で視界に映るもの全てを濡らしました。
君の名前を呼んで、君の温もりを真っ暗な部屋で探しました。

君がいなくなって1か月が経ったときは、何だか僕の生きているこの世界が不思議なものに思えました。
ただ“君がいない”……それだけのことで、世界は僕の興味の無いものになっていました。
涙はもう流れてきませんでしたが、それは単に、僕の中の涙が全て枯れただけのことなのだと思います。


そして今、僕が独りで過ごした季節が、ひとつ終わろうとしています。




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