頂・捧

□ひゃくはっかい、キスして。
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 呼吸を乱された綱吉が、顔を赤くして骸に抗議しようと骸を振り仰ぐ。

いつのまにか綱吉は骸の膝に乗せられたまま、向かい合うように座らされていた。

「僕の煩悩はすべて君が与えるものだ」

 綱吉の睨みなど効いた風もなく、にこにこと話し続ける。

「だから、ね?君が清めてください」

そのままふわりと腰掛けていたベッドに押し倒される。

「わ、ちょっ……骸っ、てば!」

 慌てて骸の腕をつかんで制止するが、それこそ鼻が付きそうな位置に人形めいた美貌が近付けられて、思わず状況も忘れて見惚れてしまう。

 紅と碧の、非対称の瞳。ゆらと細められる。

光を映し込んで、宝石みたいだと言えば、僕には君の瞳の方が琥珀のようだと返された。

 やさしい手つきで綱吉の首筋をなぞりながら、実に楽しそうに骸がのたまった。

「ひゃくはっかい、キスしましょう。綱吉くん、」

囁きごと飲み込むように、くちづけられる。何度も、なんども。

 あいしています。綱吉くん、好きです。煩悩の数よりもずっとずぅっと、ね。

 真新しい春の夜は深く、静かに更けていった。
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