パラ

□月夜の夢
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息を乱して走っても走っても終わりの見えない闇。空にはやはり赤い三日月が浮かんでいる。
そして、追ってくる影。昨日はその者の顔が一瞬見えただけだったが、今日ははっきりと見えた。
暗いせいでそう見えたのかもしれないが、ダークブルーの髪に左目が青、右目が赤といういわゆるオッドアイの少年だった。
少年は尋常でないスピードで綱吉に追いつき、一言耳元で囁いた。

「迎えに来ましたよ・・・ボンゴレ・沢田綱吉」
「ーーーーーーっ!!!!!?」

声にならない悲鳴を上げて綱吉は起床した。今までにないくらい体は冷や汗でぐっしょりとしていて、息も乱れている。
覚醒して暫くは震えが止まってくれなかった。それでも無意識に震える体をなんとか止めると時計がAM9:02と示されていた。
約束の時間は確か9:30・・・このままでは確実に遅刻だと綱吉はドタバタと1階に降り、朝食を胃に詰め込んだ。


「次何処行きますかー?」
「ツナが決めていいぜ。」

獄寺と山本に言われ、そうだなぁと辺りをキョロキョロと見渡す。すると、何処からかぞくりとした悪寒を感じた。

『この感じ・・・まさかな』

そんなわけないないと顔を上げて綱吉は目を疑った。夢に出てきた少年とそっくりな少年と擦れ違ったのだ。
夢と全く同じダークブルーの髪に青い目・・・だが、右目は前髪で不自然に隠れて見えなかった。
少年が過ぎ去って暫くしても綱吉は放心したままでいた。

『あれは夢の話なんだ!ちょっとくらい似てる人が居たって可笑しくない!!』

「・・・ナ、おいツナ!!どうしたんだ、顔色悪いぞ?」
「沢田さん、どうかしましたか?」

自分を落ち着かせるのに必死で綱吉は2人の声に暫く気付けなかった。

「いや、なんでもないよ。ちょっとボーっとしてただけ。それより、最近出来たゲームセンター行ってみない?」

このままでは2人を心配させてしまうと判断して、無理に笑って見せた。

「そーか?ならいいけどな。」
「体調悪いんなら言ってくださいね?」

どうにか2人を納得させれて綱吉は一安心した。でも、何だかもう休日を楽しめる気分では無かった。
不安とも恐怖とも言える感情がぐるぐると渦巻く。
あれは夢、アレは夢、アレハユメ・・・
恐怖を胸の内に封じ込めるように綱吉は笑顔の仮面を貼り付けて、今日残り半日を過ごした。



本当の恐怖はすぐそこに迫っている・・・・・



To be continued.....

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